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2010/11/05

<韓国経済>主要企業で人事・組織改編、迅速対応へ「若い組織」作り急ぐ

  • 主要企業で人事・組織改編、迅速対応へ「若い組織」作り急ぐ

 年末の人事・組織改編を控えている主要企業は、「若い組織」づくりに大きな関心を向けている。スマートフォンがわずか半年で携帯電話のパラダイムを塗り替えるなど急ピッチで進む環境変化に対し、企業はそのスピードに適応できる若い組織の構築に取り組みだした。サムスン、LG、現代自動車などは若い組織への転換を積極的に進めている。

 サムスン電子の李健熙(イ・ゴニ)会長は「若い組織論」を提唱している。李会長は、「(世の中が)早く変化するので、判断も迅速性が求められる。そのためには若い人材が適している」と強調し、来年からサムスンを率いる社長・役員のキーワードを「若さ」だと話した。サムスンは、李会長の発言を12月の社長団人事及び役員人事に反映させるという。

 サムスンの昨年1月の社長団人事が、在任期間5年以上の60代社長を大挙して交代させた「世代交替」とするならば、今回は「若い組織への変身」に重きを置くものと見られる。サムスン関係者は「李会長は物理的年齢より斬新な発想、俊敏な対応能力が重要だ」と説明した。

 李会長は過去にも「変化」を強調し、組織を強化した。93年には新経営を掲げ、「妻と子を除いて全て変えよ」という大胆な宣言を行った。また、品質を重視する「質の経営」への転換を図った。このような「ハードウェア改編」を経て、今回は「ソフトウェア」を変える流れが形成されると予想させる。

 LGや現代自動車グループでも、「若い組織」は年末の人事・組織改編の主要テーマとなっている。

 LGグループ傘下で組織改編を急いでいるのは、スマートフォンのトレンドに乗り遅れたLG電子だ。

 スマートフォンによる市場変化に対して適切な判断を下せなかったため、同社は大きな経営難局を迎えている。LG電子は変化の流れを迅速に読み取り、意思決定できる若い組織の構築に起死回生を賭けている。

 LG電子の組織改編のもう一つのテーマは、「製品競争力」の強化だ。これまではマーケティングなどの強化に努めてきたが、アイフォーンの例にみられるように現在、市場をリードしているのは革新的な製品群だ。そのためLG電子も製品本来の競争力を高め、革新的商品の開発・販売に向けて関連組織を改善・整備する計画だ。

 現代自グループに対して業界では、海外市場での競争力強化のため、年末に大規模な人事刷新があるとみている。グループ内でも現代建設の買収如何によって、大幅な人事改編が起こり得るという観測が出ている。副会長クラスと社長はもちろん、役員クラス全般にわたって大々的にメスが入れられる可能性もある。人事改編の規模は例年より大きくなる見込みだ。

 主要企業の間で高まっている「若い組織」への関心は、サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副社長、現代自の鄭義宣(チョン・ウィソン)副会長など2、3世経営者の役割・権限の拡大をもたらすとの見方もある。若い組織を作るためには若い感覚をもつ経営陣が必要であり、2、3世への期待が自然に高まるということだ。