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2011/04/22

<韓国経済>政府と金融界・10兆ウォンのバッドバンク設立へ

  • 政府と金融界・10兆ウォンのバッドバンク設立へ

    法定管理を申請した三扶土建㊤と東洋建設産業

 金融機関の無差別な融資回収で建設会社の経営破綻が相次いでいる。業界34位(施工能力評価額ベース)の三扶土建と35位の東洋建設産業が相次いで不動産PF(プロジェクトファイナンス)の返済に行き詰まり、日本の会社更生法適用に当たる法定管理を申請した。建設会社のドミノ倒産危機に対処するため、政府と金融界はバッドバンク(不良資産買い取り機関)を設立し、4兆ウォン規模の不良債権を買い取る方針を固めた。

 金融監督院と市中銀行・特殊銀行で構成されるPF作業チームは18日、第2四半期(4~6月)中にPFバッドバンクを設立し、不良債権買い入れを開始する方針を決めた。出資規模は10兆ウォンを見込み、各行に出資を求める。バッドバンクは、特別目的会社方式で設立する予定だ。

 金融監督院関係者は、「PF不良債権額は10兆ウォンを超える見通しであり、これ以上の建設会社の破綻や融資圧迫を防がなければ、他産業への影響も広がり、景気を悪化させかねない」とバッドバンク設立の必要性を強調した。

 今年に入って、ワールド建設、進興企業、LIG建設などの中堅建設会社が相次いで経営破綻。建設業界では連鎖倒産への不安が広がっていたが、今月12日に国内建設業許可業者1号の老舗建設会社、三扶土建が法定管理を申請し、事実上倒産した。三扶土建は、マンション分譲の不振と工事原価の上昇による収益性の悪化、ソウル市瑞草区内谷洞(ソチョグネゴクドン)の都市開発事業PF融資の満期到来などで資金繰りが急速に悪化し、経営破綻した。

 続いて、東洋建設産業が15日、法定管理を申請した。同社関係者は、「ソウルの都市開発事業を共同で施工していた三扶土建が突然法定管理を申請したため、当社は金融機関に口座を凍結され、信用評価も引き下げられた」と説明した。東洋建設産業は、13日に期限を迎えたPF融資2135億ウォンを返済できなかった。同社は慢性的に経営難に陥っていたわけではなく、昨年は売上高が1兆ウォンを記録し、昨年まで17年連続で黒字を維持していただけに、建設業界に衝撃を与えている。

 不動産PFの焦げ付き問題は、昨年から金融業と建設業にとって大きな懸念材料だった。貯蓄銀行と建設会社の間では、「まず自分の利益を守ろう」といった交渉が続き、PFの焦げ付き問題は、市中銀行にまで急激に広がっている。

 金融監督院によると、第2金融圏の昨年末のPF融資残高は27兆8000億ウォン。銀行業界のPF残高38兆7000億ウォンの71・8%に当たる。そのうち貯蓄銀行が12兆2000億ウォンで最も多い。延滞率も上昇し、金融業界全体のPF延滞率は08年末の4・4%から昨年末に12・9%。

 市中銀行も、PF焦げ付き問題に神経をとがらせている。銀行業界のPF融資残高は減少しているものの、PF不良債権は07年末の3000億ウォンから昨年末には6兆4000億ウォンへと21倍以上増えている。このため、全体不良債権に占めるPF不良債権の比率も25%に急上昇した。

 問題をこのまま放置すれば、不動産の景気悪化による建設会社の資金不足→金融業界の不良化→相次ぐ融資の回収→建設会社の連鎖倒産など、金融業界と建設業界が同時に不良化する悪循環に陥りかねない。建設業界関係者は、「事業性を判断して融資したはずなのに、建設景気が悪化したからと言って一気に資金を回収するというのは、とんでもない」と金融界に不満をもらしている。