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2011/07/01

<韓国経済>第1四半期・文化コンテンツ輸出9億3000万㌦

  • 第1四半期・文化コンテンツ輸出9億3000万㌦

    子ども達に人気の京畿道ポロロ・テーマパーク

 今年第1四半期の文化コンテンツ輸出が9億3000万ドルで、前年同期比26%増加した。コンテンツ関連の上場企業74社の売上は、同12・7%増の20兆53億ウォン。営業利益率(17・8%)は上場企業全体の平均(6・7%)の3倍に迫る勢いで、国内コンテンツ産業の付加価値がそれだけ高まったことを示している。欧州市場で成功したKポップなど、音楽産業の売上は33・7%増加した。

 2003年に国内放送を開始した韓国のアニメーション「ポロンポロン ポロロ」は、110カ国へ版権とライセンスを輸出。これにより、昨年までに512億ウォンの収益を上げた。フランスの視聴率は50%近い。キャラクターグッズの売上も1兆8000億ウォンを超えた。制作会社のアイコニクスは今年のキャラクターグッズ売上を9000億ウォンと予想、近い将来には年間1兆ウォン台へ突入するとみている。

 韓国創造産業研究所によると、ポロロの経済効果(生産、雇用、付加価値などを含む)は5兆7000億ウォンに達する。米・ディズニーが1兆ウォンでポロロのキャラクター買収を提案するなど、グローバル企業のラブコールも受けている。

 アイコニクスは4月に京畿道・東灘新都市で「ポロロ・テーマパーク」をオープンしたのに続き、8月にはソウル・新道林洞にテーマパークを開設。長期的にテーマパークを15カ所に増やす計画だ。

 ポロロやKポップなど国内コンテンツ産業の成功基盤は、CT(文化技術)だ。カルチャーとテクノロジーの合成語であるCTは、文化産業の発展に必要な技術を意味する。しかし、広義は文化産業関連技術、人文社会学、デザイン、芸術分野のノウハウを包括し、DRM(デジタル・ライツ・マネジメント)のようなデジタル著作権保護技術、文化コンテンツをデジタル領域で流通する各種圧縮及び伝送技術、サービス技術も含まれる。

 CTはアニメーションや映画などのジャンルを超えた融・複合形態、バーチャルリアリティー、公演と展示、教育サービスなどへ領域を拡大し、複雑化している。

 映像部門は、アニメーション、映画、CG(コンピュータグラフィック)、3D(3次元)技術を組み合わせたケースが多い。米国の3D映画「アバター」のヒットが有名だが、8月には韓国の3D映画「7鉱区」が公開される。

 バーチャルリアリティー技術を活用した代表的産業は、スクリーンゴルフだ。韓国製スクリーンゴルフは世界市場の70%を占め、最大手のゴルフゾンは昨年1843億ウォンを売り上げた。バーチャルリアリティーは、その他スポーツ、防衛産業の訓練システム、医療分野などへ波及している。

 バーチャルリアリティーや3D映像などを組み合わせた体験型動画具現サービスも登場。子どもが映像の中に入り、体験学習できる。

 市場調査機関によると、コンテンツの世界市場規模は2009年に1兆3200億㌦を記録し、自動車(1兆2000億㌦)とIT(8000億㌦)を超えた。

 文化体育観光部の今年度コンテンツ分野予算は4868億ウォンで、国家予算全体の0・16%。このうちCTのR&D(研究・開発)予算は744億ウォンで、全体R&D予算の0・6%に過ぎない。

 韓国政府がCTを6大国家核心技術に選定したにもかかわらず、微々たるものだ。

 「ポロンポロン ポロロ」は文化体育観光部からの6億ウォン支援を経て、今日の成果に至った。韓国創造産業研究所は、「CT分野の急成長にもかかわらず、国家財政システムは硬直している。コンテンツ分野の予算を増やすべき」と提言している。