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2011/04/01

<韓国経済>ポスコ・厚板年産能力、世界最大の700万㌧

  • ポスコ・厚板年産能力、世界最大の700万㌧

    年産200万㌧の厚板工場竣工式

 ポスコは、光陽製鉄所内に年産200万トン規模の厚板工場を完成させた。ポスコはこれで、浦項製鉄所の500万トンを含め世界最大の年産700万トンの厚板生産能力を備えることになった。昨年までは日本のJFEスチールが550万トンで世界最大で、520万トンの新日本製鉄、480万トンの中国・宝山鋼鉄がベスト3だった。

 竣工式は3月28日行われ、鄭俊陽(チョン・ジュニャン)会長はじめ政府主要関係者、現代三湖重工業、サムスン重工業、STX造船海洋など顧客企業、ポスコ建設と海外施工業者の関係者が出席した。

 08年7月に総事業費1兆8000億ウォンを投入して着工、昨年9月から試運転を繰り返し、この日の竣工式となった。

 鄭会長は「今回の工場完工で、ポスコは世界最大の超広幅厚板製品生産能力を備え、名実ともにグローバルナンバーワンの厚板生産基地になった」と強調。「造船など厚板需要産業の素材不足を解消するとともに、世界最高品質の厚板を適時供給し、顧客企業のグローバル競争力向上に寄与できる」と自信を示した。

 ポスコによると、同工場で生産する製品は造船用をはじめ海洋構造物用、鋼管用などに使われる。世界最大幅5300㍉㍍の超広幅厚板を生産する能力を備え、超大口径鋼管の生産などで競争力強化が期待できる。また、昨年7月に完工した厚板専用製鋼工場に隣接しており、ここで生産したスラブをすぐに圧延すれば、物流コストと熱損失を最小限に抑えることができる。

 新日本製鉄やJFEなど日本の鉄鋼メーカーから厚板を輸入してきた韓国の造船、鋼管、重工業メーカーでは東日本大震災による稼働中断で品薄が深刻化していたが、新工場完工で資材難解消も期待できる。

 ポスコ関係者は、厚板製品の韓国内需要は昨年1100万㌧に達しており、400万㌧を輸入した。今回の工場が稼動することで輸入量を減らすことができ、これによる年間輸入代替効果は1兆ウォンを超える見込みだ。

 ポスコは、浦項製鉄所に2013年までに2兆2000億ウォンを投資し、独自開発したファイネックス工法による溶鉱炉などを建設する計画だ。

 ファイネックス工法は従来の溶鉱炉に代わる次世代の製鉄技術。年産200万㌧のファイネックス工場建設を6月に着工、13年6月に完成させる予定だ。同工場は新設される線材工場と増設されるステンレス生産設備の需要に対応する。

 線材工場は年産70万㌧規模で、12月に着工し、13年5月に完了する予定。韓国は昨年約124万㌧の線材を輸入し、来年も不足量が170万㌧にのぼっており、線材工場の新設は需給逼迫の解決に大きく貢献することになる。ステンレス生産設備の増設は従来の工場を増設するもので、13年2月までに工事を終える予定だ。