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2011/04/15

<韓国経済>現代自動車・中国市場の攻略に本腰

  • 現代自動車・中国市場の攻略に本腰

    北京現代の販売店では需要拡大で供給が追いつかない状態が続いている

 現代自動車が、中国市場の攻略に本腰を入れている。年産40万台の北京第3工場を来年7月に繰り上げ完工する一方、北京に自動車経営研究所を設立し、現地情報の収集力を強化する。中国は世界最大の自動車市場に浮上、2020年には4000万台に拡大すると見込まれている。世界の有力メーカーが中国市場重視を打ち出しており、現代自も中国市場でシェア1、2位のフォルクスワーゲン、GMに負けない足場固めを急いでいる。

 現代自動車の中国での現地生産は現在60万台。急増する需要に供給が追いつかない状況だ。このため、昨年11月末に北京第3工場を着工、整地作業をほぼ終えた。北京現代は最近、①完成車工場としては工事期間が最も短い18カ月で完成、40万台の量産体制に入る②今年末までに設備導入を終え、来年3月から試運転を開始する計画と明らかにした。

 計画通り進めば7月から量産体制入りする。工期18カ月は、年産30万台以上の完成車工場では例をみない短期間だ。普通は最低でも2年を要する。米国工場は完成まで28カ月かかっており、異例のスピードだ。需要に供給が追いつき、中国市場で足場を固めるために突貫工事に踏み切った。

 第3工場が完成すれば、生産能力は年100万台に達し、系列の起亜自動車の40万台を含め140万台体制になる。

 現代自はまた、海外で初めて自動車経営研究所を今月初めに設立した。現地で研究員を20人ほど採用し、陣容も強化する。現代自関係者は「米国自動車産業の情報と統計は簡単に手に入れることができるが、中国市場に対する情報は十分でない。すぐに変わる産業政策と急変する市場をより綿密に把握し、対策を講じるため研究所を設立した」と説明した。

 同研究所は今後、中国の消費者市場の変化を読み解く前哨基地となる。

 中国の自動車市場は、北京五輪以降に急拡大しており、08年に538万台だった乗用車販売台数は09年に827万台、10年には1111万台に増えた。年間34~50%の驚異的な伸びだ。国民所得は拡大を続けており、自動車市場は20年にはバス、トラックを含め10年の1830万台から4000万台に拡大するとの予測もなされている。

 このような市場獲得をめざして世界の有力メーカーは中国市場を決戦場と位置付けている。中国市場で16・8%のトップシェアを誇るフォルクスワーゲンは、大型投資を計画、今年7種類の新車を発売する。2位のGMは、今後2年間に20以上のモデル車種を出す計画だ。トヨタ、日産、ホンダなど日本勢も中国市場に力を入れている。

 韓国は02年から現地生産を開始、シェア拡大を続けてきた。05~06年には6~7%に達し、系列の起亜自動車を含めると9~11%になる。だが、その後は足踏み状態が続いている。関係専門家は「アバンテ級の準中型車では頭角を現しているが、ソナタ級の中型セダン市場ではトヨタやホンダなどに比べ知名度で劣る」と指摘している。このため、現代自は最近、新型ソナタを発売、高級車市場の本格進出を図っている。