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2011/04/29

<韓国経済>サムスン、特許権めぐり訴訟合戦・アップル

  • サムスン、特許権めぐり訴訟合戦・アップル①

                   李 健熙会長

  • サムスン、特許権めぐり訴訟合戦・アップル②

                   ジョブズ CEO

 電子業界で覇権争いをしているサムスンと米アップルの訴訟合戦がし烈だ。事の発端は、アップルがサムスン電子の「ギャラクシーS」と「ギャラクシータブ」が自社の製品を模倣したとして、特許権侵害などで米国で15日、訴訟を起こしたのに始まる。これに反発したサムスン電子は22日、アップルを相手取り、特許侵害による損害賠償を求めてソウル中央地方裁判所に逆提訴。東京裁判所とドイツの裁判所にも特許侵害でアップルを提訴し、両社、一歩も譲らぬ特許訴訟合戦となっている。

 サムスン電子はアップルの「アイフォーン」と「アイパッド」が自社のデータ分割転送や電力制御、無線データ通信など、10件の特許を侵害したと主張している。

 しかし、サムスン電子にとってアップルは最大の顧客であり、アップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)が先月初め、サムスン電子を「コピーキャット」(模倣犯)と批判した時でさえ、サムスン側は沈黙した。これは最大顧客のアップルをあえて刺激する必要がないと判断したためだ。だが、訴訟という「行動」に対してはサムスン側も直ちに対応せざるを得なかった。

 アップルとしても、サムスン電子の部品がなければ、スマートフォン(高機能携帯電話)などの製造に支障が生じる。サムスン電子はメモリーチップ、パネルなど、アップルの最も重要な部品を供給しているほか、アップルのスマートフォンやタブレットパソコンの頭脳に該当するチップを製作しており、「A4」と呼ばれるマイクロプロセッサーを唯一提供している企業だ。

 しかも、東日本大震災の影響で日本メーカーからの部品供給が停滞し、アップルはサムスン側に納品量の拡大を非公式に要請したともいわれる。

 今回の訴訟合戦で、両社の協力関係にひびが入るのではないかという見方もあるが、このように結びつきが強いだけに訴訟がどこまで発展するかは未知数だ。

 李健熙(イ・ゴニ)・サムスン電子会長は、08年に完成したソウル瑞草区(ソチョグ)の本社に初めて出勤、アップルの提訴に対し、「アップルだけではなく、電子メーカー以外の企業までがサムスンに対するけん制を強めている」と述べ、「釘が飛び出ていると、打とうとする原理」と自社を取り巻く状況を例えた。

 サムスン電子でアップルとの特許訴訟を戦うのは、崔志成(チェ・ジソン)副会長直属の450人からなる特許専門組織のIP(知的財産権)センター。

 一方のアップルは、多くの訴訟を抱えている。最近でも、宏達国際電子やモトローラ、ノキア、コダックなどと訴訟合戦を繰り広げている。特にアップルのライバル、グーグルの基本ソフト(OS)の「アンドロイド」を使用するメーカーに対し軒並み訴訟を起こしているが、結果は今ひとつだ。

 今回のサムスンとアップルの特許訴訟合戦は、世界IT(情報技術)業界の強い関心の的であり、その行方が注目されている。