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2011/07/29

<韓国経済>サムスン・タブレット端末で激突・アップル

  • サムスン・タブレット端末で激突・アップル

    ギャラクシータブ10・1の発売発表。中央がサムスン電子無線事業部の申宗均社長

 タブレット型端末をめぐってサムスン電子と米アップルが激突する展開となった。サムスン電子は最近、ソウルで新型のタブレット型パソコン「ギャラクシータブ10・1」を国内市場向けに発表した。画面が10・1インチで、アップルの「iPad(アイパッド)2」並に大きくなったのが大きな特徴だ。昨年11月に発売した初代「ギャラクシータブ」の画面は7インチ。iPadとの全面対決を避けるためサイズを小さくしたが、今回は真っ向勝負に挑んでいる。

 ギャラクシータブ10・1は6月初めの米国をはじめ欧州、東南アジアに次いで今回の国内市場販売となった。初代ギャラクシータブは携帯の便利さをアピールした結果、韓国市場では50万台売れ、iPadの30万台を上回った。しかし、海外での販売台数はiPad3000万台に対し、ギャラクシータブは300万台に届かず、大差をつけられている。

 今回のギャラクシータブ10・1は、iPadに比べて画面は0・4インチ大きいが、厚さは0・2㍉薄く、重さも30㌘軽い。カメラ性能はiPadに比べ画素数を4倍以上高め、高精細度の写真を撮影可能にした。

 だが、iPadに比べアプリケーションソフトが少ない。従来機種も同じ理由でiPadの後塵を拝した。現在iPad用のアプリは9万種を超えるが、ギャラクシータブで使えるアプリは数千種類にすぎない。アプリ、電子ブック、音楽、映画などアップルの多彩なコンテンツは圧倒的な強みだ。

 新型のiPad2の第2四半期(4~6月)販売実績をみても、前年同期のiPad販売台数の3倍に達し、世界的に爆発的な人気を集めている。現在の状況では海外市場でiPadに勝つのは容易でないが、ギャラクシータブ10・1のハードウエア性能は海外でも注目されている。韓国市場では、サムスンのマーケティング力も強く、iPad2を十分凌駕する可能性がある。

 サムスン電子の申宗均社長は「ギャラクシータブで使えるアンドロイド用のアプリは今後、限りなく増える可能性がある」と強調しているが、アプリやコンテンツの不足を補うため、今回韓国市場に合わせた機能を追加した。

 地上波デジタル放送の受信機能をはじめ、官公庁で使われるワープロ規格「HWPファイル」を見ることができる「ポラリス・オフィス」、中高生が動画による授業を受けられる「スマートエデュ」などが標準搭載されている。さらに、新聞12紙、雑誌24種、書籍11万冊、電子情報100万件の閲覧が可能だ。

 スマートフォン(高機能携帯電話)市場ではサムスン電子が第2四半期に全世界で2000万台以上を販売、アップルを抜いて世界一についたと推定されているが、タブレット端末市場でサムスンがどれだけアップルに迫れるのか注目される。