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2011/09/30

<韓国経済>LGがグリーン事業に本腰

  • LGがグリーン事業に本腰

 LGグループは最近、2015年までにグリーン事業に8兆ウォンを投資して売上高10兆ウォンを達成するとした「グリーン2020戦略」を発表した。電気自動車、太陽光、LED(発光ダイオード)照明、水処理などを新成長動力として本格的に育成するというものだ。具本茂(ク・ポンム)会長と各系列会社のCEO(最高経営責任者)が「中長期戦略」を議論した末、グリーン事業に対する大型投資を確定した。

 具会長は今年6月の戦略会議で、「15年までにグリーン事業で10兆ウォン以上の売上高をめざそう」とグリーン事業重視を打ち出した。今回の戦略はそれを具体化したもので、20年までにグループ全体売上高の15%をグリーン新事業で上げる計画だ。

 ちなみに、LGグループのグリーン分野の売上高は、昨年1兆5000億ウォンで、今年は3兆ウォンが予想されている。これを13年に5兆ウォン、15年に10兆ウォンに引き上げる計画だ。

 今回のグリーン戦略で最重点育成事業は電気自動車。8兆ウォンの投資額のうち3兆ウォンを同分野に投資する。売上高はグリーン事業全体の10兆ウォンのうち4兆ウォンを占める見込み。電気自動車の中でも特に力を入れるのはバッテリー開発だ。現在、LG化学は年間10万台を供給できる能力を有しているが、13年までにこれを35万台に増強。15年までに世界シェア25%以上の世界一をめざす。このため、LG化学の梧倉(オチャン)工場(忠清北道)に第2・第3工場を建設し、生産能力を高める。

 世界の電気自動車市場は現在120万台規模だが、15年には420万台に拡大する見通しだ。計画通りに行けば、LGは電気自動車のバッテリーだけで2兆5000億ウォンの売上高が見込める。

 太陽光事業には2兆ウォンを投資し、3兆ウォン以上の売上高を目標にしている。京畿道平澤(キョンギド・ピョンテク)に1兆ウォンを投資してLG電子の未来成長動力団地を建設するとともに、LG化学の麗水(ヨス)工場に4900億ウォンを投資して太陽光産業のポリシリコン工場を建設し、LGシルトロンのウエハー工場(慶尚北道亀尾/キョンサンブッド・クミ)を増設する計画だ。

 これらの投資がすべて完了すれば、LG化学(ポリシリコン)→LGシルトロン(インゴット、ウエハー)→LG電子(シェル、モジュール)→LGソーラーエネルギー(発電所運営)とつながる太陽光事業の体系が完成し、競争力で優位に立てるとしている。

 また、LED照明分野では、LGイノテックが京畿道坡州(パジュ)で運営する世界最大規模の工場を中軸に、15年までに2兆ウォンの売上高を実現し、世界市場シェア10%以上をめざす。

 このほかに、水処理事業もグリーン事業の主軸に位置づけ、LG電子が日立プラントテクノロジーと合弁法人を設立したことに続き、最近公共水処理専門会社の大宇エンテックを買収して事業を拡大している。

 今回の戦略では雇用創出にも力を入れており、各工場の新・増設などで1万人の雇用創出を見込んでいる。また、競争力のあるグリーン技術を持った中小企業660社と共同の研究開発に取り組み、研究費を支援することで、グリーン新事業分野の協力成長を実現する計画だ。特に、今年から5年間に1000億ウォンを支援して中小企業17社と太陽電池および電気自動車バッテリーの共同研究開発事業にも着手する。