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2011/11/11

<韓国経済>起亜自動車・中国に第3工場建設

  • 起亜自動車・中国に第3工場建設

    江蘇省にある起亜自動車の中国第2工場を視察する鄭夢九会長

 起亜自動車が、中国に年産30万台規模の第3工場建設を発表した。来年末に着工、2014年に完工する計画だ。完工すれば起亜自動車の年産能力は、第1・第2工場と合わせて73万台に増強される。現代自動車も中国で来年の完工を目標に第3工場を建設しており、14年には現代・起亜自グループは、両社合わせ中国市場で173万台体制を構築することになる。

 起亜自の第3工場は、第1、第2工場がある江蘇省塩城市で建設される。鄭夢九(チョン・モング)会長は東風汽車の合弁会社「東風悦達起亜汽車」と第3工場の投資協議書を締結した。

 塩城市は起亜自の投資を誘致するため、工場用地150万平方㍍を無償提供し、税制上の特典を与えるなど優遇策を取った。起亜自は第3工場で新戦略モデルを生産する計画だ。鄭会長は「急激に増える中国での需要に積極的に対応しなければ、中国内での優位を保つことはできない」と増設の必要性を強調した。

 中国国家情報センター(SIC)によると、中国の乗用車市場は今年の1112万台から来年に1270万台に増え、14年には1793万台に増える見通しだ。起亜自は現在2つの工場で43万台のフル生産体制に入っているが、需要に追いつかないのが実情だ。市場の拡大に対応するには工場の増設が切実だった。

 中国内で起亜自のブランドイメージが高まっていることも増設を可能にした。中国市場で今年1~10月まで起亜自の販売増加率は26%を記録、現代自の7・2%をも大きく上回り、メーカー別で最も高い伸びを示した。中国市場でのシェアも3・5%にアップし、ベスト10位入りした。

 起亜自関係者は「1日4時間の残業と週末勤務で発注をこなしている」と増設を期待した。

 現在、中国市場は、15年までに年産300万台体制をめざすフォルクスワーゲンと13年までに年産200万台体制をめざすGM(ゼネラル・モーターズ)の2強がし烈な競争を展開しているが、現代・起亜自は第3強者として食い込んでいる。中国市場で今年、現代自72万台、起亜自43万台の計115万台の販売を見込んでおり、2つの第3工場が完成すれば、GMに急追することになる。