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2012/01/01

<韓国経済>2012年韓国経済予測・2年連続3%台の低成長

  • 2012年韓国経済予測・2年連続3%台の低成長

 今年の韓国経済は、4年前の世界経済危機以来の厳しさに見舞われそうだ。欧州の財政危機の影響で世界経済は鈍化、新興国の輸出が軒並みスローダウンしている。韓国も例外ではない。例年強気の成長目標を掲げる政府は、今年に限っては3・7%と控え目だ。韓国銀行も同率の3・7%を予想しており、KDI(韓国開発研究院)やサムスン経済研究所、現代経済研究院などのシンクタンクも3・5~3・8%と3%中盤の予測だ。昨年に続き、今年も2年連続4%割れとなりそうだが、貿易依存度が高い韓国経済の回復いかんは、欧州財政危機の早期解決が大きな鍵を握っている。ただし、今年は米国とのFTA(自由貿易協定)が2月にも発効する見通しであり、どの程度のFTA効果が期待できるのかも注目点だ。

 政府の今年の成長率予測3・7%は、世界経済の鈍化と不確実性が高まることを想定したものだ。ただ、欧州の財政危機が解決に向かえば、下半期(7~12月)には不確実性も緩和し、潜在成長率を回復する可能性があると見ている。

 韓国の成長牽引車である輸出の成長寄与度は、昨年の1・9%から0・8%に低下する見込み。輸出の増加率が前年比7・4%と一ケタに落ち込むからだ。米国、EU(欧州連合)など主要先進地域の輸入需要が減り、世界貿易が鈍化する影響をもろに受ける。好調な中国、東南アジア向けの輸出によって、ある程度は補完し、対外的不確実性が緩和されれば、下半期に2ケタの増加率も可能とみている。

 一方の輸入増加率も、投資心理の萎縮などの影響で8・4%の一ケタに低下する見込みだ。経常収支は、160億㌦の黒字を予想。サービス収の赤字拡大で、昨年の250億㌦より黒字幅が大幅に縮小する。

 今年は、例年のように輸出に多くを期待できない。その代わりに、内需は安定的に増大し、成長寄与度が昨年の1・9%から2・9%に拡大する見通しだ。

 内需拡大の原動力である民間消費は、3・1%増加すると予想。雇用回復と物価安定で実質購買力が改善するとみている。だが、家計貯蓄率が急激に低下しており(2010年3・9%)、景気いかんで消費支出の変動幅は大きくなりそうだ。

 設備投資は3・3%増にとどまると予想している。輸出鈍化、企業の収益性低下などで投資環境は悪化する。特に中小製造業を中心に資金調達の悪化が投資を制約する見通しだ。上半期(1~6月)は投資計画を保留する動きも懸念される。だが、昨年7月発効したEU(欧州連合)や今年2月発効する米国とのFTAが貿易と投資機会を拡大させる効果も期待される。

 建設投資は2・9%増を予測。住宅市場の環境が極度の不振から改善するとみている。未分譲住宅の減少、マンション取引増加のほか住宅建築許可面積が順調に伸びている。また、行政首都などに移転する公共機関の業務用建物の新築などの投資による需要創出も続いている。だが、4大河川事業など大型の国策事業が完了したことで社会間接資本予算が減少し、土木建設は不振が予想される。2018年平昌冬季五輪関連事業着手による需要で多少補完することになる。

 雇用事情は若干改善される見通しだ。だが、対外経済環境の悪化で雇用回復が遅れる可能性もある。雇用率は昨年の59・0%から59・1%へわずかに改善。就業者は28万人増。保健福祉、専門科学技術などの業種で就業者が増える見込み。だが、輸出鈍化で製造業の就業者は減少が続く見通し。失業率は昨年とほぼ同レベルの3・5%を予想している。

 今年の物価は改善が期待でき、消費者物価上昇率を3・2%と予想。上半期はやや高めだが、下半期には持続的に低下する見込み。農水産物の需給安定、国際原資材価格の上昇鈍化で供給側の物価圧力が緩和されることが大きい。需要側面では、インフレ期待心理が不安要因として作用するが、景気回復鈍化で需要圧力も次第に緩和される見込みだ。