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2018/10/12

<韓国経済>韓国、製造業の海外投資が急増

  • 韓国、製造業の海外投資が急増

 製造業の海外投資が急増している。輸出入銀行と産業通商資源部が国会に提出した資料によると、韓国の製造業が海外工場建設などで海外に直接投資した金額は上半期(1~6月)で74億㌦に達した。これは昨年同期の29億㌦の2・5倍以上で、1980年に関連統計が作成されて以降で最大規模だ。これまでの上半期基準の最高額は13年の47億㌦だった。製造業の急激な海外投資増に「産業の空洞化」を懸念する声も出ている。

 製造業に金融業、サービス業など他の業種まで加えた全海外投資額は、上半期基準で227億㌦。昨年同期の237億㌦に続き、2年連続で200億㌦を突破した。同期間に外国企業が韓国に投資した金額(外国人直接投資)は101億9000万㌦で、125億㌦以上が純流出したことになる。

 特に目立つのは、雇用に直結する製造業の海外投資だ。今年上半期の74億㌦は、昨年1年間の投資額79億㌦に匹敵する規模で、全海外投資の32%を占める。

 海外投資増とは対照的に、国内の設備投資額は3月から8月まで6カ月連続で前月比マイナスだ。法人税引き上げ、人件費上昇、労働市場の硬直性、各種規制などに伴う高費用・低効率経済構造が製造業を海外に追い出しているという指摘が出ている。

 専門家らは特に、国内の高費用・低効率構造が深刻化していることを警告している。スイス国際経営開発院(IMD)の国家競争力評価によると、韓国の今年の企業効率性は63カ国中43位で、10年間に7段階も落ちている。

 政策的な失敗を指摘する専門家も多い。法人税率を最高25%に引き上げ、最低賃金も2年連続2桁に引き上げたことが企業経営にマイナスになり、輸出で稼いでも国内より海外投資に使う傾向に拍車をかけたと指摘している。


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