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2000/10/20

<随筆>◇死のサイズ◇

 生と死。生きとし生けるものは、このことわりから逃れられない。特に死は、万人に等しく訪れる。そのせいか、人々の関心も高く、新聞やテレビで訃報が伝えられない日はないといってよい。

 ▼最近、「爆笑問題の死のサイズ」(扶桑社)という面白い本が出た。1950年代から昨年まで、朝日、毎日、読売の3大紙に掲載された死亡記事の面積を足し、ランク付け(ベスト5)したもので、これがなかなか興味深い。人の命に軽重はないが、人の死は時代を映す。

 ▼韓国人の死亡記事をみると、何といっても79年に暗殺された朴正煕大統領(面積5618平方センチ)が光り、同年のトップ。74年に光復節の式典で狙撃され死亡した朴大統領夫人、陸英修女史(1764平方センチ)もポンピドー仏大統領を抑えてトップである。

 ▼意外なことに副大統領に当選しながら、不正選挙で失脚し一家心中した政治家の李起鵬(5220平方センチ)が60年の4位となっている。最近では、94年の金日成主席(4251平方センチ)がトップとなり、やはり政治家の死が大きく報じられる傾向にある。

 ▼在日関連では、98年の新井將敬代議士(1万2161平方センチ)の死が記憶に新しい。自殺という衝撃的な死は、大きな話題となり、「世界のクロサワ」黒沢明監督をしのいで同年の1位となっている。このほか、63年の力道山(780平方センチ)も刺殺という衝撃的なものだったが、ケネディ暗殺の年で5位にとどまった。

 ▼約半世紀の死亡記事をざっと眺めると、日本に衝撃を与えた激動の韓国史や在日の生きざまがよみがえる(N)