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2003/06/20

<随筆>◇今が旬!韓国プロ野球◇ 新・韓国日商岩井理事

 ビールが美味い季節になった。ビールと言えばプロ野球ナイター観戦。実はプロ野球の大ファンである。高校時代は実技も少しかじっていたが、今はもっぱら見る方で隠れ赤ヘル狂の一人なのだ。日本では阪神が好調で虎キチを喜ばせているが、今日は韓国人選手の活躍振りをご紹介しましょう。

 まずは大リーグ。日本人選手の活躍はお馴染みだが、実は韓国勢も頑張っている。筆頭はシカゴ・カブスの崔熙燮(チェ・ヒソプ)。ホームラン連発で今や松井以上の強打者。投手陣では国民的英雄のレンジャーズの朴賛浩(パク・チャンホ)が今年は絶不調で韓国のファンを心配させている。昨年、ワールドシリーズで連続逆転打を喫したサブマリンの金炳賢(キム・ビョンヒョン)も出足は良くないが、シーズン途中でレッドソックスに移籍して復活を狙っている。今年の新顔はメッツの徐在応(ソ・ジェウン)とブレーブスの奉重根(ボン・ジュングン)。共に知名度は今一だが、ローテーションの一角を占めるようになった。大リーグでも日韓選手の実力が接近してきているようだ。

 一方、韓国のプロ野球では、日本からの出戻り組が頑張っている。筆頭は元中日のトップバッターであった李鐘範(リー・ジョンボム)。起亜のリードオフマンで、今年も3割を打っている。元巨人の鄭ミンテは現代のエースに返り咲いた。同じく元巨人の鄭ミンチョルもハンファの開幕投手を努めた。元中日のサムソン李はLGの押さえの切り札。皆、力がありながら日本では実力を十分に出し切れなかったが地元ではやはり一味違う。

 在日韓国人選手では、昔は福士、新浦投手などが大活躍した。福士は変幻自在のピッチングとやや太目の風貌から「ノグリ(狸)」の愛称で親しまれた。しかし最近は韓国のレベルも上がって、余程の選手でないと通用しない。今年ロッテ入りした森投手などはオープン戦で結果が出ないと言って早々に放出された。大リーグ以上の厳しさだ。異色選手は、今年ヤクルトから斗山に入団した入来投手。ヤクルト時代は、巨人の入来(弟)と共に兄弟で鳴らしたが、韓国では初の純日本人選手として注目されている。斗山では先発ローテーションの一角を占めているが実力発揮はこれからだ。他の日本人選手も後に続いて欲しい。

 最後にやはり元巨人で、韓国のスーパー女優と結婚して話題をまいた趙ソンミン投手は、引退帰国した後、今度は離婚騒ぎで当地のマスコミを賑わした。最近になって再起を目指しているが、ブランクが長くて復帰できるか疑問。何でも本業以外で騒がれてはいけない。奥さんが大物過ぎたのかも知れない。ところで当地の野球場はアルコールは禁止でプロ野球観戦の楽しみも半減だが、今年から斗山の本拠地(ソウル)だけ、しかもOBビールだけOKされた。OBビールが斗山グループだからだと思うが、そんなのありかな?


  おおにし・けんいち 福井県生まれ。83-87年日商岩井釜山出張所長、94年韓国日商岩井代表理事、2000年7月から新・韓国日商岩井理事。