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2006/05/26

<随筆>◇パップダ パッポのマニラ旅行◇                                                                      韓国ヤクルト共同代表副社長代行 田口 亮一 氏

 日本のゴールデンウィークも終わりに近づいた5月7日からの一週間、こんなに忙しくて疲れる週になるとはクメド(夢にも)思いませんでした。これも突然に頂いた比国ヤクルトからの新社屋落成式の案内状のおかげ。

 3年前の渡比で、もうそんなに魅力も感じないところなので余り乗り気はしなかったのですが、社長の「カッチカプシダ(一緒に行こうよ)」の一言で「エー カムニダ、カムニダ(ハイハイ、行きます行きます)」と、定年過ぎサラリーマンの没自己意識従順迎合的模範返事で11日に2人で出発することになりました。

 それは良いのですが、10日の水曜日が当社創立37周年記念日で休日のため、協力業体とのゴルフコンペが前々から予定されており、これが朝7時スタートのため、4時30分起床、11日のマニラ行きKALが8時10分仁川発のため、この日も4時30分起床と2日続けてのセビョック起き(夜明け起き)で、ヘーカプ(還暦)過ぎの我が身としてはサンダンヒ(相当に)参っておりました。

 それでも3年ぶりのマニラは「どないなったかナ?」という期待も少しずつ出てきたりして、マニラ空港に到着いたしました。たしかマニラ空港は新しくなったと聞いていたのですが、ナーンにも変わっておらず、既に33度の真夏の暑さに迎えられてホテルに向かいましたが、途中の街の景色、交通渋滞、ジプニーのケバケバしさ、人の多さ、3年前とチィーとも変わっておりません。

 イゴスンノモヘッター(こりゃちとひどいなァ)と思いながらやっとホテルに到着し、待っていた比ヤクルトのアルバート社長との昼食会で「明日の落成式は午後4時からですけん、その前にゴルフでも…」と誘われ簡単にOKしましたが、続けて言われるには、「場所はマニラ市内のワクワクC.Cだが、車が混む為、朝6時ホテル出発」と聞いて、思わずのけぞりましたが後の祭りなのでした。

 その夜は中華の夕食会の後、マニラ一番の高級クラブに案内されたのですが、このクラブのお客さんは実は韓国の駐在員の人が一番多いと聞かされ、中国・東南アジアはイミ(既に)韓国時代に入ったんだナァーと、我が青春時代を振り返り少し寂しくなりました。

 朝が早いのでチョクタンニ(適当に)切り上げ、翌朝も4時起床、くもり空のマニラ市内の朝の様子を見ながら約40分でゴルフ場到着、7時にスタートしました。しかし、ハーフを終わろうとするところで台風の影響のスコールが来て、なかなか止みそうもないので、我々はここで中止、クラブハウスに戻ってくると、この大雨にもプルグハゴ(関わらず)スタートする二組の男女、まさに韓国ゴルフツアーの面々でした。

 最近はこのゴルフ場も半分は韓国の人だという社長の言葉に、「ゴルフ大好きハングクサラム、チャルチセヨ(良く打って下さい)」という心境でした。

 さて、落成式は無事終了し帰韓の日の13日は少しゆっくり朝寝しましたが、大混雑の空港入り口で「エキスプレス」と称する紳士に列の前に連れて行かれて500ペソ取られたり、冷房も効かない空港でつごう5回の荷物検査を受けたりして、帰りのKAL機に搭乗した時には心底ホッとしました。

 パップダパッポの比国訪問でしたが、ソウルでの安定した快適な生活の有り難さを再認識させてくれる貴重な2日間でした。


  たぐち・りょういち 1943年満州国生まれ。東京都立大学人文科学部卒。69年ヤクルト入社、71年韓国ヤクルト出向。94年から同社共同代表副社長代行。