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2006/02/17

<随筆>◇たくましい韓国女子プロ◇ 韓国双日 大西 憲一 理事

 思わぬきっかけで韓国女子プロゴルファーの重鎮といわれている具玉姫プロと会食の機会があった。今でこそ日本LPGAには韓国の女子プロが大勢進出しているが、具プロは草分け的存在で、1982年に日本にデビューしてからすでに25回も優勝しており、生涯獲得賞金ランキングでは3位、昨年も1勝をあげるなどいまだ現役としてバリバリ活躍している。

 歴戦の勇士から相当のツワモノぶりを予想していたが、清楚で知的な女性実業家といった雰囲気で日本語もすこぶる流暢。日本での苦労話などで大いに盛り上がったが、穏やかな話しぶりの中にも時おり見せる鋭い分析に勝負師の片鱗がうかがわれた。

 同席した友人の「ゴルフがうまくなるコツは?」とのストレートな質問に「まず強い体力、精神力を作ること。そして練習の繰り返し、つまり“体で覚える”こと」。小生は強い体力も精神力もないし、練習嫌いと来ているから救いがない。

 「万年初心者の小生にもできる簡単なアドバイスを」と食い下がって見ると、「(練習嫌いに)特効薬はないですよ・・」と困惑しながら、それでも幾つかのアドバイスを頂いたが、これは企業秘密でここで開陳するわけにはいかない。今年は変身したプレーを皆さんにお見せできるかも(?)。

 今年の日本のLPGAツアーは3月から始まるが、「具プロの今年の目標は?」「優勝3回」。心強い答が返ってきた。今年は具プロを応援するぞ。

 ちなみに日本のLPGAツアーは36回計画されており、賞金総額は平均7000万円強。一方、韓国でのKLPGAツアーは15回で、賞金総額は平均3000万円クラスが多い。まだまだ日本の方が稼ぎは大きいが、最近の韓国女子プロの活躍は目覚しい。

 一時期大活躍した朴セリの他に、美人で名高いグレース朴はソウル市内の大型焼肉店の看板娘としても有名で、彼女の笑顔写真は小生のデスクを飾っている。昨年は無名のバーデイー金がいきなり米国のLPGAで優勝して世界を驚かせた。10代の天才少女、ミシェール・ウイーも韓国出身だ。

 若手の台頭で人気沸騰の日本の女子プロも本場、米国ではまだまだだが、韓国女子プロは実にたくましい。高度成長期の韓国経済を彷彿させる。日韓の違いは何だろう?具プロの指摘のように体力と精神力の差だろうか。

 ところで、昨年初めて平壌ゴルフ場でKLPGAが開催されたが、北朝鮮では目下、金剛山でも今年9月のオープンを目指してゴルフ場を建設中とのこと。

 このゴルフ場の目玉は14番ホール(パー3)で、グリ-ンを漏斗状に作るのでワンオンすれば間違いなく中央のホールにボールが吸い込まれてホールインワンとなる夢のショートホールがあるらしい。なかなか粋なことをするものだ。

 生涯、ホールインワンには縁がないと思っていたが、これで人生の楽しみが一つ増えた。口の悪い友人が私の夢を砕くように言った。「ところで最近、貴兄のワンオンは見たことがないね」


  おおにし・けんいち 福井県生まれ。83-87年日商岩井釜山出張所長、94年韓国日商岩井代表理事、2000年7月から新・韓国日商岩井理事。04年4月、韓国双日に社名変更。