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2015/09/18

<随筆>◇父の生家?Ⅱ◇ 康 玲子さん

 母を連れて済州島へ行き、亡き父の本籍地を訪ねた時の話。前回の続きである。不思議なほどに古びた家は、解放前の姿をとどめているのだろう。出てこられたご夫婦は、私たちと同じ「カン」さんで、家は親戚の「カン」さんから借りているのだと。もともとの持ち主は、この家を長男に継がせたかったが、長男は日本へ行ってしまって以後行方不明。捜して、待っていたけれど、わからずじまいで、だから弟さんが跡を継いだのだという。そしてその方も今はずいぶん歳をとっておられて耳も遠いのだと。


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