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2017/04/07

<随筆>◇作家・柳美里(ユ・ミリ)氏との初対面◇ 広島大学 崔 吉城 名誉教授

 春から冬への旅、空から見る南アルプスは雪に覆われていた。松本空港からバスで30分で松本駅に着き、日本映像民俗学の会のメンバーたちと合流、3月24日から26日までの大会は始まった。

 作家の柳美里氏とは久しぶりに会うような気分であるが実は初対面。ぎこちなくない、よそよそしくない。なぜであろう。民族感情によるもの。否、有名な作家に会う度にもしかしたら私の人生を小説として書いてくれるのではないかという期待感?人はそれぞれ自分の人生を小説にしたら何冊にもなるだろうと思うように私もそうである。本当は以前から彼女の小説を在日の生活記録のように読んだが、今度は死生観に関する巫俗儀礼に関する話題がテーマであったので「8月の果て」を読んだ後に会ったのですでに知人のような感じさえあった。


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