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2020/11/06

<随筆>◇女たちの告発『彼女の名前は』◇ 金 珉廷さん

 韓国で130万部、日本でも21万部を突破し、韓国文学の底力を見せた『82年生まれ、キム・ジヨン』の作者、趙南柱(チョナムジュ)の日本語版の新作が出版された。『彼女の名前は』(筑摩書房、翻訳=小山内園子)である。キム・ジヨンを継ぐ様々な女性たちの物語が28編収録された短編集である。

 上司のセクハラにあったソジン、この戦いをやめたくてもやめられないのは、自分と同じような思いをする人をこれ以上増やしたくないから。非正規職で働く女性、孫の面倒を見ている女性、成人した娘の離婚の話を聞き、戸惑いと共感を覚える女性など、多くの女性が出てきて、自分の物語を、淡々と語る。これは、それぞれの女性たちの独白であり、告白であり、告発でもある。だから、私も自分の話を語ることで書評としたい。

 7年ほど前、専門学校の講師となった。韓国語講師は私を含めて全員女性だった。どうしてなのか最初は見当もつかなかった。時給も割とよく、働く時間も選べる。ところが、そこは恐ろしい知の墓場だった。


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