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2021/03/12

<随筆>◇音楽と映画の街で◇ 呉 文子さん

 東京オリンピックでアベベ選手が走った新甲州街道筋に、日本橋から23㌔という標識がある。その近く国領町に越してきたのは45年前のことだった。

 娘が音大をめざしていた頃で、小澤征爾や中村紘子の出身校・桐朋音大が国領駅から3駅新宿寄りで近かったことも決め手となった。この街は音楽と映画に深いかかわりがある街である。

 1月に幕を閉じた石原プロ事務所は同じ町内で近かった。その関連からか、京王線国領駅から八王子方面へのメロディーが『太陽にほえろ!』、新宿方面では『西部警察』のテーマ曲が流れている。各駅のメロディーは桐朋学園大学音楽学部で制作・演奏したと言われている。

 先日、NHKBSで石原裕次郎が五社協定の縛りから独立をめざして闘い、『黒部の太陽』を製作して日本映画史を変える先駆者的役割を果たしたことを初めて知った。

 またテレビ朝日制作部長時代に『徹子の部屋』『西部警察』を制作された中島力氏とは住まいが近く、お連れ合いの女優・白石奈緒美さんともども親しくさせていただき、お宅にお邪魔すると裕次郎が話題に上ることもしばしば。ご著書『生命なりけり』でも裕次郎の項を設け、きらびやかな活躍をした人も、


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