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2022/03/11

<随筆>◇民話とコムンゴの心◇呉 文子さん

 「民話とコムンゴの心」公演当日のこと。3回目のワクチン接種の副作用のせいで腕が上がらず洋服の上げ下ろしにも苦痛、その上全身の節々が痛くてだるい。ハムレットさながらに、行くべきかそれとも…と迷いに迷ったが会場で落ち合うことになっている友人の顔を思い浮かべ意を決して「プラッツ習志野市民ホール」へと向かった。

 金基英さんの語りは、一人芝居といってもいい。聴かせるだけでなく魅力的な美しい容姿が加わるのだから、彼女が舞台に立っただけで、吸い寄せられてしまう。在日の語り部第一人者の誇りと自信に満ちた舞台だった。ブックトークもそれぞれの個性で味わいがあるが、基英さんの語る民話は、情景や心象風景が身振り手振りに加えてその表情からも内容が立体的に浮かびあがってくる。


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