ここから本文です

2022/06/24

<随筆>◇韓国孤児の母となった日本人、北の日本人妻・・・◇ 海龍 朴 仙容 相談役

 数日前、北九州市立大学で映画『ちょっと北朝鮮まで・・・』(島田陽麿監督)を鑑賞した。1959年に始まった在日朝鮮人の帰国事業で、夫について北朝鮮に渡った日本人妻の話だった。3年経てば里帰り(日本)できる。その言葉を信じた旅立ちだったが、軽率だった。日本人家族の分断がおこった。

 熊本在住の林恵子(67歳)には20歳上の姉がいた。その姉の愛子が夫と共に北朝鮮に渡った。その後、愛子から山のような手紙が送られてきた。送金や物品送付の催促だった。憧れの存在だった姉の変貌に落胆。恵子は姉と断絶した。日朝関係は悪化。姉妹は一度も会うことなく58年の歳月が流れた(敬称略ご容赦)。


つづきは本紙へ