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2001/08/03

<総合>国民銀行・住宅銀行 合併巨大銀行11月誕生

 韓国最大規模となる国民銀行と住宅銀行の統合銀行が11月1日に出汎する。この間難航していた焦点の統合銀行長であるCEO(最高経営責任者)にも金正泰・住宅銀行長(54)が決まり、これから本格的な準備作業が開始される。統合銀行は総資産規模180兆ウオンに達し世界でも60位内に入る巨大銀行だ。経営ビジョンとしては、リテール(小口)中心の営業戦略を打ち出している。

 国民・住宅合併銀行CEO選定委員会(委員長=金秉柱・西江大教授)が先月末に金正泰氏を合併銀行長候補に最終選定した点について、金秉柱委員長は、「金融構造改編の推進力、市場の信頼度などを考慮に入れて満場一致で選出した」と明らかにした。

 当初、銀行規模面では住宅銀行より大きい国民銀行の金商勲行長の方が順当とみられていただけに、国民銀行側はこの選定にショックを受けており、労組は早速「この決定は法的根拠がない」と反発している。これに対して金正泰氏は、31日の企業説明会で「労組の反発は名分がない。CEO選出方法は合併契約書に明記されている」と反駁した。

 CEO人事は10月20日の合併銀行株主総会で最終的に決定される。

 金正泰氏は証券業界出身で、98年8月に住宅銀行長に就任したが、当面の小さな利益よりも体質を強くして将来の大きな利益を導きださなければならないとして、人員20%減のリストラを含め大胆な構造改革を実行した。

 その結果、99年にはユーロマネー誌が住宅銀行を韓国1の最優良銀行に選定、昨年10月には国内銀行として初めてニューヨーク証券市場に上場した。また、創立以来最高の5300億ウオンの当期純益をあげるなどの実績をあげた。市場では「株価のような市場の反応を重視し、またこれに適切に対応してきた人物」と評価されている。

 合併銀行は全国に1100以上の店舗網をもち、役職員は2万人にのぼる。強制的な人員整理はしないとしているが、今後重複店舗の整理などがさけられない。