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2001/10/12

<総合>アフガン報復攻撃 韓国も超非常体制

  • sogo_011012.jpg

    爆撃されたカブール。がれきとなった建物跡でブルドーザーを動員して除去作業をしている光景

 米国がアフガニスタンに対する報復攻撃を開始、戦争状態に突入した。タリバン政権は徹底抗戦を宣言しており、戦争が長期化し、戦火がイラクなど周辺アラブ諸国に拡大する可能性もある。今回の報復攻撃に対して韓国は全面的に支持・協力を表明しているが、経済への影響を重視、対策を急いでいる。一方の北朝鮮は、「報復の悪循環」への懸念を表明した。テロ対策が米国の最重要課題になったいま、朝米正常化には時間がかかりそうで、南北関係にも影響がありそうだ。


◆ 韓国の選択

 韓国政府はすでに9月11日のテロ攻撃の際、米国への協力を鮮明にしていたが、今回の報復攻撃に対しても全面支持を表明、非戦闘兵力の派兵準備にもとりかかっている。また、この問題に対しては与野党が超党的に取り組む体勢を整えた。

 金大中大統領は8日、国民へのメッセージで「米国をはじめとした国際社会の今回の行動は正当なもので、全幅的な支持と共に協力の意思を繰り返し明らかにする」と述べながら、「来年にワールドカップとアジア競技大会を開催する韓国を世界の人が安心して訪れることができるようにテロに対する水も漏らさない対策を確立しなければならない」と強調した。

 サッカーの2002年ワールドカップ大会は世界的行事であるだけに、テロの標的になる恐れがある。日本と協力して本格化に対応する必要にも迫られている。

 韓国の派兵問題に関しては、91年の湾岸戦争の時と同様に非戦闘要員450人規模で派兵することになりそうだ。米国との協議を経て決定されるが、医療関係120人、海上輸送170人、航空輸送150人、連絡将校10人と装甲車やヘリ機を積載した海軍上陸艦や輸送機などで編成される。

 一方、9日には金大統領と野党第一党・ハンナラ党の李会昌総裁との会談が実現、反テロ戦争状況に超党的に対応するため、①すでに設置した与野政策協議会を積極的に活用する②経済が悪化する憂慮があるので、共同努力することなどに合意した。この間、与野党は厳しい対立関係にあったが、一時休戦に入った。