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2001/05/18

<総合>財閥改革 景気後退で試練に

 投資不振・輸出減退など経済悪化を受けて財界が財閥規制緩和を強く要求、野党ハンナラ党もこれに加勢し、財閥改革を進める政府・与党との間で攻防が続けられていたが、政府は改革の原則は厳守するが、財界の要請を入れ一部規制を緩和する方針だ。これを受けて16日、全国経済人団体連合会会館で開かれた政府と財界の懇談会で、財界が建議した主要政策課題について事案別に協議機構を設置、今月末までに改善案をまとめることに合意した。改善案はすなわち規制緩和であり、IMF危機を克服するために98年2月に国民の前に約束した財閥改革の後退を憂慮する声もあがっている。

 この日の政・財懇談会には、陳稔・副総理兼財政経済部長官ほか経済関係長官、財界側から金珏中・全経連会長ほか30大財閥グループ構造調整本部長らが出席した。協議の結果、公正取引委員会を中心に全経連などが参加して構成する協議機構で、出資総額規制制度などについて集中的に論議する。

 政府と財界は、企業の競争力確保が核心課題であることに認識を共有、政府は事業をしやすい環境を整備し、企業は持続的な自己革新で競争力を強化することを確認した。
また、財界側は、財界の政策改善要求が政府争点化していることについて憂慮を表明した。

 全経連の孫炳斗副会長は、「負債比率200%縮小、BIS基準の自己資本比率規制などが投資と輸出増大をどれだけ困難にしているかという企業現場の声を伝えることができた。政府と虚心坦懐に意見を交換したことに意味がある」と述べた。

 これに対して政府側も「投資活性化と経済回復のため努力することに意見を同じくした。財閥改革の原則は守るが、企業競争力の強化のため必要な部分については改善策を講じる」と明らかにした。

 陳副総理は、財界が建議した規制緩和と関連、「金融と税制部門の規制緩和に対しては今月末までに回答を出す考えだが、公正取引分野は中長期的に検討する計画だ」と述べた。

 公取分野、つまりオーナー支配と関連する部分ついてはへたにいじると財閥改革の根幹を崩すことになるので慎重を期すとの表明だ。