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2001/03/09

<総合>対日進出 障害除去に全力

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    主要駐日企業の代表が参加した駐日韓国企業連合会の総会(7日、東京・港区のホテルオークラ)

 駐日韓国企業連合会は7日、都内のホテルで会員社代表150余人が参加して2001年度総会を開き、第6代会長に金ジョンシク・現代ジャパン社長を選出した。同連合会は金会長体制のもと、日本市場進出のため、対日ビジネスの障害除去などに全力で取り組むことを決めた。

 同連合会が決めた今年の重点事業系計画は、①インターネットコンテンツの内容充実化で会員社に各種サービス提供②対日ビジネス障害打開活動の強化③取引斡旋拡大で韓日間のビジネス拡大④在日同胞貿易人支援を通じた韓日間貿易ネットワーク構築⑤韓日企業人の交流活動を通じたビジネス機会の拡大など。

 金ジョンシク会長は就任あいさつ(要旨別掲)で、特に対日ビジネス障害除去について、具体的な障害事例を摘出するため分科会・研究活動を強化するとともに、今年から実施される日本の経済産業省との定期協議で是正を求めていく考えを明らかにした。

 貿易協会日本支部の調査によると、障害事例として①家電リサイクルに伴い韓国企業に不利になる内容の改善②対日豚肉輸出を再開するため口蹄疫規制の早期解除③石油化学製品の高率関税引き下げ④日本内での公共工事入札の際の条件緩和などが指摘されている。

 今回の総会ではまた、定款を一部改定、IT(情報技術)時代に対応するため情報技術分科委員会を新設した。委員長には日本に進出している韓国ベンチャー企業協会の会長でもある文廷翼・ベディソンジャパン社長が選ばれた。

 総会後のレセプションで、駐ラオス大使から駐日大使館に赴任したばかりの鄭華泰・経済担当公使があいさつ、「韓日間の経済関係発展は、政府レベルよりは民間間の経済交流が中心になるべきだと思う。この点で、駐日韓国企業連合会が駐日企業の求心的役割を一層強化してほしい」と激励した。

 なお、新会長選出に伴う人事として、副会長に日本サムスンの姜仁淳本部長、浦項製鉄の東京支店の韓光熙支店長、真露ジャパンの金泰勲社長、LGジャパンの河英鳳社長、メディソンジャパンの文廷翼社長、ハンビット銀行東京支店の金ユンソク支店長、アシアナ航空の周在弘日本地域本部長、韓国貿易協会の権寧旭東京支部長、外換銀行大阪支店の崔鎮鎬支店長の9人がそれぞれ選ばれた。また、2年間会長を務めた双竜ジャパンの金大郁社長と、ヒュンダイモータージャパンの辛明植社長、大韓航空の鄭ヨンチョル日本本部長が新たに顧問に委嘱され、顧問は日本サムスンの鄭ジュンミョン社長含め4人に増えた。


対日輸出を円滑化 金ジョンシク会長

 韓国と日本経済が困難な時期に会長に就任することになったが、日本市場が韓国経済に占める重要性を考える時、重い責任を感じる。

 日本経済の持続的な停滞、米国経済鈍化の兆し、そして先進国の輸入規制強化など通商条件の悪化で今年の輸出展望は楽観できない。このような厳しい国際貿易環境を克服するため、一層の努力が求められるが、対日輸出活動を円滑に遂行できるように次のような基本事業を推進していきたい。

 まず、会員社の日本市場開拓を支援するため、対日ビジネス関連の隘路打開活動をさらに活発に展開する。隘路事項の収集・検討のための分科委員会及びスタディーグループ活動を支援・強化し、特に今年から開催される当連合会と日本政府の経済産業省間の定期会議でわが企業の隘路事項を積極的に開陳する。

 第2に、韓日両国の経済協力と交流基盤を強化するため、一層努力する。これのため、両国交流が実質的なビジネスに連結されるよう韓日両国企業人を対象にする経済講演会をより実りあるように開催する。また、地方自治体と当連合会との間の交流も積極的に推進する。

 第3に、対日ビジネスのためには人材が必要であり、人材供給サービスにも力を入れる。当連合会の人材バンクには約500人の在日韓国人及び日本人の求職データが蓄積されている。今年はインターネットを活用したコリア・ジョブフェアを年2回拡大実施すると同時に会員社の随時採用に効率的に対応できるように検索体系も改編し、積極的に支援する考えだ。

 「各自が一所懸命に努力しなければならない」という必要条件と、「必要な場合には団結して対応しなければならない」という十分条件が合わさってこそ、日本市場で日本企業とともに競争もでき協助もできると思う。会員皆さんの協力と提案を期待したい。