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2002/07/05

<総合>歴史を動かした韓日W杯

 世界中が熱狂した桁外れの祭典。韓日が共催したサッカーのワールドカップ(W杯)は「新しい歴史をつくった」というに相応しい成果をあげて閉幕した。韓日両国首脳も1日、W杯の成果を踏まえ韓日関係を多分野で高い次元に進める決意を示した共同メッセージを発表した。ベスト4進出という快挙を成し遂げた韓国チームは英雄だ。2日、「テーハンミングッ(大―韓民国)の大合唱で迎えられる中、ソウル市内をパレード。金大中大統領は「W杯で見せた力で、世界一流国家への道を進もう」と呼びかけた。70年のW杯の歴史の中でも燦然と輝く今回の韓日W杯。いったい、どんな歴史をつくり出したのだろうか。

 W杯決勝戦観戦で来日した金大中大統領は、W杯閉幕について「すべてが順調で安全に行われた。大きな荷物を降ろしたような気持ちだ。W杯を通じて韓国の力を示したが、アジアの力も示した。意義深い歴史の章を開いたのではないかと思う」と評価した。

 今回のW杯が失敗したとの声はほとんど聞かれない。むしろ、韓国と日本のイメージアップにこれほど成功したことはないだろう。それほど多くの成果があった。

 まず韓日両国の試合における健闘がある。韓国はベスト4、日本も決勝トーナメント進出を果たした。ホスト国としての面目を保っただけでなく、この両国の活躍は世界のサッカー地図を塗り替えた。今回の大会は、サッカー後進国のアジアだけでなく、米国やアフリカ勢の活躍もめざましく、サッカーという共通言語を通じて世界が一層身近になったことを強く印象づけた。

 特に、ポルトガル、イタリア、スペインという欧州の強敵をなぎ倒した韓国の強さは、世界に新鮮な驚きであり、今後アジアサッカーの発展に大いなる勇気付けになった。韓国の観衆からも「プライド・オブ・アジア(アジアの誇り)」という横断幕がかかった。

 次にW開催地の拡大だ。これまでW杯は欧米と南米の独壇場であり、開催地域も独占していた。今回初めてアジアでしかも初の共催という形で実現した。当初、2カ国にまたがる開催で運営面などでの不安の声があり、国際テロやフーリガン問題への対応も迫られたが、空席問題を除けば完璧な運営を行うことができた(岡野俊一郎・日本サッカー協会会長)。この共催の成功は今後、アフリカや他のアジア地域で2カ国、3カ国による共催が可能であることを示すものであり、W杯を通じて人類がより幅広く相互理解を深める契機をつくった。

 第3にほとんどの韓日交流の場で、「韓国はすごいですね」がこの間の話題の中心になるほど韓日間の親近感は増した。
韓日間の親近感も大いに増し、両国民とも「W杯を共催してよかった」と思っている。日本の世論調査では8割以上が「関係強化にプラスになる」と答えている。準決勝の韓国・ドイツ戦のテレビ視聴率は48・3%に達し、日本戦以外では2番目の高視聴率だった。勝ち進んだ韓国への関心はいやがうえにも高まり、日本の対韓認識が大きく変わるきっかけをつくった。