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2003/03/21

<総合>海外債務の支払い凍結

 粉飾会計で危機に直面している総合商社SKグローバルの債権団はこのほど、同社の海外債務の償還を一時凍結すると発表した。主債権銀行のハナ銀行をはじめとする債権団は19日、債権団会議を開き、同社を共同管理下に置くことを決定した。一方、SK(株)は、株主らの反発に配慮して、SKグローバルへの支援は一切行なわないと表明しており、SKグローバルは窮地に立たされている。

 債権団は17日、海外債務2600万ドルの満期が到来し、一部の海外債権金融機関が満期繰り延べを拒否、償還を要求してきたため、対策に苦慮している。特に海外債権団がSKグローバルの現況を「準不渡り状態」と判断し、満期が到来していない債権に対しても償還を要求してくるのではないかと懸念している。

 債権団の関係者は、「今週から海外債務の満期が数千万ドル単位で到来する」と話し、SKグローバルが個別に満期延長の交渉をするのは不可能なため、債権団が一部の海外債権団との交渉に当たると明かにした。また19日の債権団会議で、海外債務の処理について協議し、SKグローバルの正常化案を提示して海外債権団に理解を求める方針を確認した。しかし、満期繰り延べに失敗した場合には、法定管理を通じて処理する方針だ。

 ハナ銀行によると、SKグローバルの債務は、国内が6兆5880億ウオン(海外支店含む)、海外が1兆9795億ウオン(国内銀行の海外法人6000億ウオン含む)にのぼる。

 一方、債権団は、SKグローバルの正常化にはSK系列社の支援が不可欠だとして支援を要請したが、SKグローバルの筆頭株主SK(株)は、会社の利益を著しく毀損したとして支援を一切行なわないと要請を断った。ただし、SKグローバルが保有する資産価値1兆1000億ウオンのガソリンスタンド網の売却に関しては、「収益性がある店舗のみを買収する」と表明している。