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2003/02/14

<総合>IMF危機の引き金韓宝鉄鋼6年ぶり正常化へ

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        韓宝鉄鋼の棒鋼工場に設置された電気炉

 「IMF危機の引き金」「政経癒着の元凶」と指弾された韓宝鉄鋼が、97年1月の倒産から6年ぶりに「新しい主人」を迎えることになった。資産管理公社を最大債権者とする債権団と引き受けてのAKキャピタルは12日、全国銀行連合会館で韓宝鉄鋼の資産を3億7700万㌦で売却する本契約を締結した。これにより、計画では6月から新体制で本格的に再建を図ることになる。

 外資のAKキャピタル側はこの日、契約保証金100億ウオンを納入し、本契約締結後90日以内に追加保証金100億ウオンを支払い、その後2カ月以内に残金を納入することになっている。最終的には全額納入を待たなければならないが、韓宝鉄鋼が新しい売却先のもとで再建を図ることはほぼ間違いなさそうだ。

 AKキャピタルは今後、韓宝鉄鋼資産を引き継ぐ新設法人を設立、6月初めにまで完了する予定だ。韓宝鉄鋼はこれまで法定管理下に入っていた。従業員は全員を再雇用する条件だ。

 従業員はすでに3度にわたる整理解雇で3090人から645人に減っている。広大な400万平方メートルを守るにはとても足りない数だ。また、建設途中で中断した工場もあり、再建にはなお時間がかかりそうだ。

 しかし、ここには国内で最大の155万㌧規模の電気炉など最新設備があり、本格稼動すればかなりの威力を発揮するとみられている。

 同工場関係者によると、1年ほど前は圧延価格がトン当たり31万5000ウオンだったのが、最近では37万ウオンに跳ね上がり、工場はフル稼働状態であり、在庫も適正量2万㌧の5分の1水準に減っているという。

 ちなみに、昨年売上高4399億ウオンを記録(前年比23・8%)、償却前の経常利益も693億ウオン(55・4%増)、生産量1250㌧を達成するなど、倒産以来最大の実績をあげた。景気回復だけでなく、原価節減努力が功を奏したようだ。

 しかし、新会社のもと再建を本格化するためには課題が多い。総額5兆ウオンが投入された韓宝鉄鋼の唐津工場を正常稼動するには2兆ウオンほどの追加投入が避けられない、と鉄鋼専門家は分析しており、追加資金を確保しなければならない。

 また、160万平方㍍の敷地に3兆4655億ウオンを投入したが、工程率69%で中断した工場を再建設するのかという問題もある。ただし、これに対して「韓宝鉄鋼の場合、設備に対する減価償却もほとんど終わっており、追加費用負担は少ない」という証券業界の指摘もある。資本面では、米国の代表的な鉄鋼メーカー、ニューコアなどが資本参加の意思を示している。

 新経営陣のトップ、CEOに内定したカース・ヒラー氏らは早速、工場の稼動状況などを把握し、今後の運営計画を練ることになる。今後の展望としては現在好調の鉄筋価格などがどれだけ安定的に維持されるかにかかっていると分析されている。また、原材料の古鉄の安定調達もカギを握っている。