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2004/11/19

<総合>南米共同市場と貿易協定へ

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    国賓待遇でブラジルを訪問した盧武鉉大統領が晩さん会でルラ・ダシルバ大統領(右)と乾杯(韓国時間17日午前)

 盧武鉉大統領は、16日から18日まで国賓待遇でブラジルを訪問、ルイス・イグナシオ・ルラ・デ・シルバ大統領との会談で、両国関係を「21世紀共同繁栄のための包括的協力関係」に格上げすることに合意した。特に、ブラジルなど4カ国が参加する南米共同市場(メルルスコール)と韓国との貿易協定締結の妥当性に関する共同研究に合意、関係閣僚が具体的な検討に着手することになった。韓国はチリとの間でFTA(自由貿易協定)が発効しており、メルルスコールとの協定が実現すれば、従来疎遠であった南米市場がぐっと近づくことになりそうだ。

 ブラジリアの大統領宮で行われたルラ大統領との会談は、予定を50分超過する2時間20分に及んだ。ルラ大統領は、盧大統領を「特別な同志的意識を持って歓迎する」と紹介。盧大統領は「58歳の自分と59歳のルラ大統領の年齢、軍事独裁及び民主主義獲得の経験を共有している」と応えた。それぞれ人権派弁護士、労働運動指導者として政治の世界に入り、逆境を劇的に克服した政治過程など多くの共通点があり、親近感も感じたようで、会談は終始和気藹々とした雰囲気で進められた。

 会談で盧大統領は、「韓国とブラジルは政治的経験が似通っており、歴程も似ている。わが国国民はブラジルに対して格別な親近感をもっており、ブラジルの明るい未来と持続的な発展を確信する」と述べた。ルラ大統領は、「ブラジルは、米国や欧州より多くの国との多国間関係を重視しており、大統領就任後これまでに40数カ国を訪問した。韓国はブラジルにとってとても重要なパートナーであり、両国関係が今後強化されることを望む」と強調した。

 両大統領は会談成果を盛った14項目の共同声明を発表したが、韓国にとって南米市場進出に向けたメルルスコールとの貿易協定締結へ向けての研究に着手することに謳った点は大きい。

 現在、韓国とブラジルの貿易高は年間34億㌦にすぎない。ブラジル、アルゼンチン、チリの3カ国合わせても60億㌦にとどまる。これに比べ、近年、南米市場の開拓が急ピッチで進めている中国はブラジルとの貿易額が70億㌦にのぼり、韓国の2倍以上だ。アルゼンチン市場では90年代はじめは韓国繊維製品が圧倒的なシェアを占めていたが、現在は50%も安い中国製品に取って代わられている。このような現状に照らし、貿易拡大の環境整備を整えることが急務だった。

 共同声明はまた、IT(情報技術)分野での協力を強化するため、早期にIT協力センターをブラジルに設置することを明記している。ブラジルIT市場進出が本格化すれば、韓国の青年失業問題解決にも資すると見られている。ブラジルはアジア人の移民に厳しい制限をしているが、IT産業発展のためには門戸開放の姿勢をとっている。ブラジルの中小企業は公式統計だけで450万社にのぼり、IT訓練要員派遣だけで少なくとも40万人の人材輸出が期待できる。

 ブラジルは、広大な国土と豊富な天然資源を有する未来の大国だ。石油探査、エネルギー資源開発のほか、高速道路、鉄道、港湾施設などのインフラ建設に韓国企業の積極的な参入を両行大統領が奨励した点も注目される。現在、ブラジルはサンパウロを出発点に太平洋側のチリに向かう大陸横断鉄道の建設を進めている。太平洋側との交易拡大に備えたもので、パナマ運河経由にかかる輸送費を軽減できる。

 今後、貿易拡大だけでなく、韓国の進んだITやインフラ建設などでの本格的な協力が期待でき、両国間の協力増進のみならず、南米市場での足場も築くことになりそうだ。

◆ メルコスール◆

 アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイの4カ国で構成される南米共同市場で、実質は関税同盟の性格を持つ。1991年3月に調印されたアスンシオン条約で創設された。同年11月から域内貿易の自由化に向け関税率の引き下げを開始、95年には対外共通関税を導入し、共通関税分類に基づく品目の85%に適用すると定めた。99年末に自動車と砂糖を除く域内関税の撤廃を完了。チリとボリビア、ペルーの準加盟国3カ国を含めると、メルコスール人口は南米全体の51%。