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2004/06/04

<総合> 財界7位・GSグループ来月誕生

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        GSグループの柱になるLG流通のコンビニ店「LG25」

 LGグループから分離、財界序列7位規模のGSグループが来月誕生する見通しだ。LGグループの持ち株会社の役割を果たしている㈱LGはこのほど開いた臨時株主総会でLGカルテックス精油(旧湖南精油)、LG流通、LGホームショッピングなどの出資を担当する新設法人、㈱GSホールディングスを新設する内容の会社分割案を承認した。これにより、1947年以来、LGグループを率いてきた創業家である具家と許家が袂をわかつことになる。実に57年ぶりの「異変」に財界ではその背景をめぐり関心を集めている。

 臨時株主総会の決定により、㈱LGは7月1日付で電子、化学中心の製造業部門の持ち株会社、㈱LGと流通、サービス中心の㈱GSホールディングスに2分割される。

 ㈱LGはLG電子、LG化学、LGテレコムなど28の子会社を率いることになり、分離する㈱GSホールディングスはLG流通など8社を抱え、これに系列分離するLG建設も加わる。

 GSホールディングスは発足翌日の7月2日に理事会を開き、会長に許昌秀・LG建設会長(56)、社長に徐京錫・LG投資証券社長をそれぞれ選出する予定だ。許会長は、故具仁会・LG創業会長とともにLGグループを率いた故許準九・LG建設名誉会長の長男だ。新体制はほぼ確定しているが、GSグループ内では、財界内でもその手腕が高く評価されている許昌秀会長のいとこにあたる許東秀・LGカルテックス精油会長(61)の動きも注目点だ。

 これまで具・許両家は経営権をめぐるいさかいもなく57年間、良好な関係を維持してきた。持ち株率は創業以来、具家65対許家35を維持しており、許家は絶対表に立たないことを家訓にしてきた。今回の分離の真因は定かではないが、2002年に許準九名誉会長が死去し、世代交代が本格化したことも背景にあるととされている。具家も許家も大変な子沢山で、特に許家ではLGやGSとも関係なく独自に企業経営するコスモグループなどがある。

 系列分離は来年末までに完了するが、GSグループ側は社名変更を急いでおり、LG流通はLGリテイルスに事実上確定した。ともかく、今回のケースは、90年代中盤にサムスンから分家した新世界、CJ、ハンソルより遙かに大きな分離であり、その行方が注目される。

 財界序列でみると、GSグループは総資産14兆4000億ウオン、売上18兆5000億ウオンで、ロッテに次ぐ規模だ。主力企業はLGカルテックス精油、LG建設、LG流通、LGホームショッピングの4社。

 LGカルテックス精油は、日量65万バレル規模の原油精製施設をもつ国内第2の製油会社だ。80年代初の第2次オイルショック時に国内で初めて原油を精製して日本に輸出したり、ガソリンにブランドをつけ品質競争を仕掛けるなど新機軸を次々と打ち出してきた。全国2900余カ所にガソリンスタンドを持ち、ここにミニコンビニを設置するなど流通チャンネルに活用している。また、燃料電池事業にも進出、トータルエネルギー企業をめざしている。

 LG建設は現在国内第3位の規模だが、2010年業界トップを目標ににしている。特に3月に着工した坡州LCD団地は今後10年間に100億㌦が投資される予定で、このうちの40%以上は工事金額と見積もられており、施工会社として安定した売上増が期待できる。GSグループの核として今後環境分野にも事業を多角化する計画だ。

 GSグループの看板として成長が最も期待されるのがLG流通。スパーマーケットのLGスパーは全国75カ所、コンビニのLG25は1700店舗を超え、ともに業界1位だ。百貨店(3店)とディスカウントストア(11店)でも今後攻勢をかけそうだ。特に百貨店経営がカギを握る。

 LGホームショッピングは現在業界1位であり、LG流通と一体になって「流通財閥」を支える方針だ。