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2005/09/09

<総合>総合株価指数・市場最高値の1142.99記録

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 韓国の総合株価指数が7日、終値で前日比20・34ポイント(1・8%)高の1142・99をつけ、史上最高値を記録した。1994年11月8日の1138・75を上回る10年10カ月ぶりの最高値更新だ。コスダック市場も同日530・53をつけ、7日連続の上昇を続けている。原油高、米南部を襲ったハリケーンの大被害にもかかわらず、株式市場が活況を呈しているのは、企業業績の改善や消費回復を受けて、景気回復への期待を反映したものと見られている。証券関係者の間では、この高値相場は年内1200まで続くとの見方が支配的で、「企業利益の安定性を重視する傾向が強まっており、市場自体も機関投資家を中心に安定化する中、韓国証券市場は長期上昇局面に入った」とする楽観論も登場した。

 不況下の株高――。そんな陰口が聞かれ、「多くの部門で過熱した様相があり、年末までには1000ポイントを割り込む」と証券バブルの危険性を指摘するアナリストもいる。

 だが、多くの専門家は現在の株高は短期間では終わらないとみている。原油高という伏兵はあるものの、世界経済はよほどの異変がない限り成長基調が崩れることはないと診断されている。その上で、国内経済が回復基調に転じる可能性が出ている。

 上半期(1-6月)成長率は3%にとどまったが、下半期(7-12月)には4・5%に上昇すると韓国銀行は分析している。また、産業銀行の製造業1218社を対象にした設問調査でも事業概況指数(BIS)が第2四半期(4-6月)の87から第4四半期(10-12月)には97に高まっている。実際、7月の産業生産は前年同月比7%増加し、5カ月ぶりに最も高い伸びを示した。

 上場企業の利益見通しも明るい。韓国投資証券が調査した199社の営業利益は第1四半期(1-3月)の13兆5000億ウォンから第4四半期には16兆1900ウォンに高まると推定している。

 また、証券先物取引所によると、上場企業の負債比率は97年の340%から昨年には90%にまで下がり、財務構造改善で収益性も向上。株主が投資した資本の投資効率を示すROE(自己資本純利益率)は97年のマイナス1・93%から昨年には15・2%を記録した。

 これと共に重要なのは、機関投資活性化で証券市場の体質改善の先兵の役割を果たしている積立型ファンドが、毎月約4000億ウォンの市中資金を証券市場に流入させている点だ。このような資金は市場から突然流出する可能性は少ないので、今後暴落は置きにくいと専門家は見ている。今後の景気動向いかんでさらに株価上昇への期待が高まりそうだが、韓国の証券市場は構造的にもアップグレードしたようにみえる。

◇22年ぶり高値安定◇

 現在の総合株価指数が導入されたのは1983年4月1日。80年4月1日を100として実施、導入初日は122・52だった。しかし、国民の間で株式投資はまだ一般化されていず、指数200台に入ったのは86年4月。それがソウル五輪をはさんで急上昇、89年に3月31日に初の1000台進入を果たした。だが、当時はまだ機関投資家が育成されていず、外国人投資も制限的だったため、その後下降線をたどった。

 再び1000を突破、94年11月。ところが、通貨危機で98年6月の指数は一気に280まで急降下。IT熱風などで99年7月に再び1000を突破したが、2000年から再び下落、年末には半値の500台に落ち込んだ。だが、その後低金利を信号弾に証券市場への資金流入が進む一方、外資の買いも顕著になり、上昇カーブを描き、今回の最高値となった。