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2005/10/07

<総合>輸出復調・9月は過去最高の247億ドル

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 韓国の輸出が復調の兆しをみせている。産業資源部によると、9月の輸出実績は月間最高の247億2000万㌦を記録した。前年同月比18・7%の伸びで、これで3カ月連続で2ケタの増加率を記録、年初からの委縮傾向から完全に脱した。経済界からは、回復した輸出を内需に連結させ、経済全体の回復に結びつけようとの声があがっている。

 9月の輸出が最大値を記録したのは、半導体、一般機械、船舶など主力業種が好調だったのに加え、今年に入って落ち込んでいた携帯電話と家電製品が息を吹き返したためと分析している。牽引車の一つ自動車の輸出は、現代・起亜自動車のストで前年同月に比べ4億㌦ほど減る打撃を被ったが、他部門の好調が自動車輸出の減少を補ってあまりあった。

 特に家電製品と携帯電話の回復は大きい。家電製品は2月以降マイナスだったが、液晶テレビ、プラズマテレビなど高付加価値製品の輸出好調を反映、7・0%増とプラスに転じた。携帯電話は欧州向けを中心に中国などBRICs(25・5%)、東南アジア、中南米向けが2ケタ以上の伸びを記録、完全回復した。

 9月のIT(情報技術)輸出は、11・6%増の68億7000万㌦で、過去最高の月間記録となった。ITを統括する情報通信部では、5月にはIT輸出がマイナスに陥ったが、本格的に回復局面に入ったとみている。

 9月の輸出増加率を品目別にみると、自動車部品(95・75%)、石油製品(68・4%)、船舶(50・0%)、一般機械(41・7%)が極めて高い伸びを示した。また、鉄鋼(20・5%)、半導体(18・2%)、携帯電話など無線通信機器(14・5%)、石油化学(11・0%)の増加率も2ケタを記録した。

 産業資源部は、ウォン高、原油高騰など不利な対外与件、ストによる自動車輸出不振などの厳しさがあったが、米国と中国を中心にした世界経済の堅調が、予想以上に輸出を伸ばしたと説明した。経済界や言論界は、この輸出の回復に注目、「次は内需だ。設備投資は依然低迷から抜け出せていない。輸出回復を国内経済活性化に結びつける方策が必要だ」と訴えている。

 一方、9月の輸入実績は、前年同月比24・55%増の226億5000万㌦を記録した。輸入急増は、原油高などの影響を受け、原資財輸入比率が57・4%に達したことにある。貿易収支黒字は、輸出好調にもかかわらず、20億7000万㌦にとどまった。

◇来年輸出・3000億㌦突破へ◇

 サムスン経済研究所は5日、「韓国輸出競争力の再発見」と題する報告書を発表、来年の輸出は2ケタの伸びを記録、史上初の3000億㌦を突破するだろうと予測した。昨年の輸出実績は2539億㌦で、今年は2800億㌦に達するとみられている。

 報告書はまた、過去に比べ高度化、ソフトウエア化された品目が輸出を牽引するだろうと分析。労働集約型から脱し、資本・技術集約型のITや自動車など輸出戦線の主力部隊を形成しているが、5大輸出品目が全輸出の44%を占める構造にも言及、一部品目への過度な依存から脱すべきだと指摘している。

 続けて、新たな輸出産業の育成、新たな輸出市場の開拓が必要だと強調している。