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2005/03/25

<総合>不況下、4.6%の経済成長・昨年

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 韓国銀行が22日発表した「2004年の国民計定」(推定)によると、昨年の韓国の経済成長率は4・6%を記録した。政府が目標とした5%をやや下回るが、前年の3・1%を大きく上回る数値だ。特に注目すべきは民間消費が昨年第4四半期(10-12月)に前期比で0・6%増加、1年半ぶりにプラスに転じた。今年に入り景気回復の兆しがみえ、底打ち感が強まっているが、統計上でも裏付けられた形になっている。

 経済成長の内訳をみると、製造業が大健闘、内需不振にもかかわらず、半導体や先端情報通信機器など輸出関連業種の好調で2ケタの11・4%の伸びを示した。また、農林漁業も気象条件が良かったことも手伝って前年比7・4%増加した。一方、建設業は建設景気の悪化で1・7%増に鈍化、サービス業もまた1・3%増の低水準にとどまった。結局、製造業が成長を牽引した形になったが、製造業の中でも重化学工業は14・2%増加したが、軽工業は1・0%にとまり明暗がわかれた。

 前年比19・7%の高い伸びを示した輸出は、経済成長率を押し上げる最大の功労者。上半期(1-6月)は26・9%の高い増加率だったが、ウオン高が進行した4・4半期には伸びが9・8%に急激に鈍化した。輸出の成長寄与度は1・4半期(1-3月)は実に106・9%に達し、深刻な内需不振をカバーした。

 民間消費は、乗用車と家電製品などの耐久消費財に対する家計消費支出の減少とサービス業の不振で前年比0・5%減少したが、減少幅は前年の1・2%に比べては縮小した。特に4・4半期にはプラスに転じ、中でもこれまで5期連続マイナスが続いた飲食・宿泊業の売上が1%増加した。韓銀の金ビョンファ・統計局長は、「景気が蘇ったとはまだ即断できないが、民間消費の回復傾向から見て、これ以上悪化しないだろう」と分析した。今後の経済成長率については5%台を楽観。
 
◇1人当GNI・1万4162㌦に

 昨年の名目GDP(国内総生産)は778兆4000億ウオン。国民の体感景気を示す実質GNI(国内総所得)は3・1%増にとどまったが、1人当たりGNIは1万4162㌦に達し、前年比11・3%増となった。この増加の相当部分はウォン高ドル安によるもので、ウォン表示の1人当たりGNIは1621万ウオンになる。