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2005/01/28

<総合>電子コリア・世界シェアの半分掌握

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 「電子王国コリア」ーーそんな言い方が相応しい韓国電子メーカーの活躍ぶりだ。世界マーケットを席巻している。半導体DRAM(記憶保持動作が必要な)ではすでに10年以上トップの座にあるが、この数年はディスプレーでも快進撃を続け、得意のブラウン管にとどまらずLCD(液晶)PDP(プラズマ・ディスプレー・パネル)、に続き、最新のOLED(有機EL=エレクトロ・ルミネッセンス)まで世界トップシェアを確保。それも市場の半分を超える勢いだ。

 ブラウン管市場ではサムスンSDIとLGフィリップスLCDの2社で世界市場の60%近いシェアを占める。最近では薄型ブラウン管を出荷、新たな市場を開拓中。

 LCDも日本の牙城を崩し韓国がトップシェアを獲得している。昨年も、サムスン電子が売上92億㌦、出荷量7600万個を記録、3年連続1位の座を確保。特に、モニター、テレビなどに使われる10インチ以上の大型LCDは、売上(78億㌦)と出荷量(3078万個)が前年比50%以上増え、シェアを大きく拡大した。

 LGフィリップスLCDは、売上53億㌦、出荷量7345万個で世界2位を記録。大型LCDではこの2社の出荷量だけで世界シェアの43%を占める。

 今年は50%突破も可能だ。AUOなど台湾メーカーがLCD価格の急落に伴い、新規生産ラインへの投資を 見合わせている反面、韓国メーカーは攻撃的な投資で大規模量産体制を構築をほぼ終えたからだ。特に、サムスン電子は3月末に台湾メーカーより生産性の面で4倍も優れた7世代生産ラインの入る予定だ。最大のライバルは日本のシャープ。大規模投資を進めており、競合が激化スル見通しだ。

 PDPは、これまで日本の独壇場だったが、韓国メーカーが急追、昨年第4四半期(10ー12月)にはついにトップの座を奪った。サムスンSDI、LG電子、オリオン電機の韓国メーカー3社の合計シェアは56%を記録。日本勢は41・9%にとどまった。

 PDPの場合、一部日本メーカーが事業放棄ないし縮小の動きがあり、韓国メーカーのシェアはさらに拡大しそうだ。サムスン電子関係者は、「日本メーカーよりPDP事業参入は4、5年遅れたが、いまでは技術や売上で日本を抜いた。いまでは世界市場を調節できる余裕をもてるようになった」と語った。

 OLEDも、ディスプレーリサーチの予想で、サムスンSDI40%、台湾のライトディスプレー33%、日本のパイオニア25%の順だ。

 半導体分野では、サムスン電子が昨年売上75億㌦を記録、世界シェア28・8%を占め、13年連続1位の座を守った。ハイニックスも43億㌦の売上(シェア16・4%)を記録、マイクロンを抜き、5年ぶりに2位の座を奪還した。国家別シェアでも米独日を大きく引き離し、シェア45%のダントツ1位だ。

 ハイニックス関係者は「今年はDDR(ダブルデータレート)2DRAM市場が拡大する可能性が高い」と予測した。この新型メモリーは高性能パソコンやサーバーに搭載されており、需要は広がりをみせいる。ハイニックスは生産比率を現在の10%から年内に50%にまで拡大する計画だ。

 サムスン電子はこのほかに、携帯電話小型化、高機能化に合わせ市場が広がっているMCP(多重チップ)でも昨年25%のシェアを占め、世界1位になったと推定された。

 家電の世界でも韓国メーカーは強さを維持している。特にエアコンはLG電子が2000年から5年連続トップシェアを維持。ホームシアター部門でもサムスン電子とLG電子の2社で世界シェアの33%を占めている。パソコンなどに利用される光ストリッジではLG電子が昨年29%のシェアを占め、98年から7年連続、不動の世界1位の座にある。