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2006/11/03

<総合>現代製鉄・唐津(忠清南道)に一貫製鉄所を着工

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    起工式に参加した盧武鉉大統領(右から3人目)鄭夢九会長(左隣)

 現代・起亜自動車グループの現代製鉄が、西海岸地方の忠清南道唐津郡で一貫総合製鉄所の建設に着手した。韓国では浦項、光陽製鉄所に次いで3番目、企業としてはポスコに次ぐ2番目の一貫総合製鉄所だ。計画によると、2011年までの5年間に5兆2400億ウォンを投入して、年間粗鋼生産能力350万㌧の高炉2基(計700万㌧)を建設する。同社既存の電気炉(12基)で生産される1050万㌧を含め合計1750万㌧を生産することになり、世界10位圏の鉄鋼メーカーに飛躍する。

 現代製鉄の一貫製鉄所建設は、故鄭周永・名誉会長の宿願事業だった。1977年に建設計画を発表。紆余曲折を経て、座礁した韓宝鉄鋼を買収し、29年ぶりに今回の着工にこぎつけた。

 起工式は唐津郡の建設現場で先週末の27日に行われた。盧武鉉大統領はじめ、丁世均・産業資源部長官、李宗九・忠清南道知事ほか国会議員も多数参席。さる4月のLGフィリップスLCDの坡州工場竣工式参加以来、6カ月ぶりに民間企業の行事参加となる盧大統領は、「製鉄所が完工する2011年になれば、唐津は世界的な鉄鋼ベルトに生まれ変わり、対中貿易の物流拠点となる平沢、唐津港とともに西海岸時代を切り開くことになるだろう」と祝辞を述べた。

 故鄭名誉会長の夢を実現することになった次男の鄭夢九・現代・起亜自動車会長は、「一貫製鉄所建設は韓国鉄鋼産業のみならず、造船、電子、自動車など国家基幹産業の競争力を高めるのに寄与するだろう」とあいさつ。

 同グループとしては、①現代製鉄が鉄鉱石を溶かして粗鋼を生産し②現代ハイスコが自動車用鋼板をつくり③現代・起亜自動車が自動車を生産する垂直生産体制を確立することになる。これはGM、トヨタなどのメーカーも成しえていない世界初の試みだ。

 さらに、建設した高炉の稼働状況もみながら、2015年まで2兆2600億ウォン(累計7兆500億ウォン)を追加投資、年産500万㌧規模の高炉1基を追加建設する計画も発表した。完成すれば高炉計3基・1200万㌧規模の大型製鉄所になる。韓国で唯一、高炉をもつポスコの独占を崩し、競争時代をもたらす意味もある。

 高炉は海外からの鉄鉱石と有煙炭の確保が大きな問題となるが、オーストラリア、ブラジル、カナダなどと安定供給を取り付けた。また、原料の積み込みなどに必須の港湾建設も順調に進んでおり、9月8日に3万㌧、5万㌧級船舶が接岸できる埠頭が完成、追加して10万、20万㌧級埠頭の建設が進められている。

 また、世界で初めて密閉型製鉄原料処理施設を建設する。現代側は、ドーム型ないし倉庫型構造物内に原料を密閉させる親環境施設だと説明している。現在、積み込まれた鉄鉱石などの原料は野積み状態で、風雨により粉塵が飛び散り環境汚染の原因になっていた。

 いま一つ注目すべきは、次世代新技術自動車用鋼板の研究開発のための鉄鋼研究所建設だ。製鉄所隣接地に立地、博士級の高級人材350人が研究開発に取り組む計画という。高品質の鋼材を提供して自動車産業の競争力を高めようというものだ。

 現代製鉄は現在、鉄のスクラップを原料に粗鋼を生産する電気炉で粗鋼を生産している。粗鋼年産の世界ランクは昨年31位。高炉建設が計画通りいけば11年に世界10圏入りし、15年には年産3000万㌧規模の世界6位に跳ね上がる。