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2006/06/02

<総合>統一地方選・与党 ウリ党が惨敗

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    辞任を表明した鄭東泳・ウリ党代表(左)と笑顔の朴槿惠・ハンナラ党代表

 31日に実施された第4回統一地方選挙で、与党・開かれたウリ党は、政権与党としては前例がない惨敗を喫した。ソウル、京畿道など広域自治体(16市・道)長選挙で、ウリ党は地盤のひとつ大田市でも敗北、かろうじて全羅北道知事だけを死守した。光州市・全羅南道の2カ所で勝利した民主党にも遅れをとった。230の基礎自治体(市・郡・区)長選挙でも19カ所で勝利するにとどまった。一方、最大野党・ハンナラ党は、16の市長・知事選でソウルなど12ヵ所を制し、基礎自治体長選でも、3分の2を超える155カ所で勝利した。得票率も60-70%台と圧倒した。今回の選挙は来年末の大統領選挙の前哨戦と位置づけられており、与党の歴史的な敗北を受けて政界再編が必至だ。選挙後の世論調査の結果、大統領候補としてハンナラ党の朴槿恵代表が一番人気に躍り出た。

 今回の選挙は16の主要市・道の首長と230の基礎自治体長、広域自治体議員733人(比例78人含む)、基礎自治体議員2888人(比例375人)の計3867人の首長・議員を選出。1万2194人が出馬、地方選挙史上最高の3・15倍の競争率を記録した。

 ハンナラ党の広域自治体当選者は、次の通り(敬称略)。▼呉世勲(オ・セフン/ソウル市)▼金文洙(キム・ムンス/京畿道)▼安相洙(アン・サンス/仁川)▼金ジンソン(江原道)▼鄭宇沢(チョン・ウテク/忠清北道)▼李完九(イ・ワング/忠清南道)▼許南植(ホ・ナムシク/釜山)▼金範鎰(キム・ボムイル/大邱)▼金寛容(キム・グァンヨン/慶尚北道)▼金泰鎬(キム・テホ/慶尚南道)▼朴孟雨(パク・メンウ/蔚山)▼朴城孝(パク・ソンヒョ/大田)。

 特に、天王山のソウル市長選は、ハンナラ党の呉世勲候補が61・1%を得票、ウリ党の康錦実候補(27・3%)にダブルスコア以上の大差をつけた。勝利地域ではほとんどがダブルスコアだった。また、大田市長選は、下馬評では有利だったウリ党候補を僅差で下すなどハンナラ党の風が吹いた。

 また、済州知事戦は現職の金泰煥候補(キム・テファン/無所属)が接戦の末に再選を果たした。全羅北道知事はウリ党の金完柱(キム・ワンジュ)候補、光州市長・全羅南道知事は民主党の朴光泰(パク・クァンテ)・朴チュンヨン候補がそれぞれ手中に収めた。

 市長・郡長・区長を選ぶ230の地方自治体長選挙でも155カ所でハンナラ党が圧勝。

 特に、ソウルの25区長選に全勝するなど首都圏66カ所の市長・郡長選で圧勝した。ウリ党と民主党は首都圏でわずか一つしか当選を決められなかった。

 無所属候補の善戦も目立ち、29カ所で当選した。ウリ党の19、民主党の20を上回った。

 今回の選挙では、政策対決は影を潜め、イメージ演出が乱舞する形になった。盧武鉉政権3年間の国政に対する中間評価の性格も帯びていたが、ウリ党にとっては過酷な選挙結果になった。「ウリ党以外なら誰でもいい」とう有権者の声が聞かれるほどそっぽを向かれた。

 得票率はウリ党20・9%、民主労働党11・9%、民主党10・1%。3党合わせて40%台であり、政界の関心は巨大野党に対して、どのような共同戦線をはるかに移っている。

 今回の選挙が「ハンナラ党圧勝、ウリ党惨敗」という結果に終わったことで、与党では盧大統領とウリ党指導部の責任や政界再編などをめぐり大きな波紋が起きそうだ。ウリ党の鄭東泳議長は、「すべての責任を負う」と辞表を表明した。

 今回の統一地方選挙の投票率は暫定51・3%。史上最低だった前回(02年6月13日)の48・9%)を上回ったが、04年の総選挙(60・6%)や98年の統一地方選挙(52・7%)よりは低い。また、今回初めて19歳の有権者と永住権取得後、韓国内に3年以上居住する外国人にも投票権が与えられた。ほとんどが華僑(台湾籍)。