ここから本文です

2006/03/24

<総合>国民銀行が外換銀行買収へ

  • sogo_060324.jpg

               国民銀行に売却される外換銀行

 外換銀行の売却を進めている大株主のローンスターは23日、優先交渉対象者に国民銀行を選定したと発表した。売却入札には国民銀行の他、ハナ金融持ち株会社と外資系のDBS(シンガポール開発銀行)が応札していたが、最も高い価格(1株=1万5400ウォン)を提示したとされる国民銀行に軍配があがった。売却金額は、6兆4000億ウォンに達する見通しだ。交渉が順調にいけば、5月までに売却作業は完了する見通しで、実現すれば国民銀行は総資産271兆ウォンに達する文字通り国内最大のリーディングバンクとなる。

 韓国の銀行ランクは、昨年12月末の総資産基準で①国民銀行(198兆ウォン)②新韓金融持株会社(165兆ウォン)③ウリ金融持株会社(140兆ウォン)④ハナ金融持株会社(100兆ウォン)の順だった。総資産73兆ウォンの外換銀行が予定通り売却されれば、国民銀行は総資産で2位以下を100兆ウォン以上引き離し、顧客、店舗数などで抜きんでた存在になる。

 顧客は現在の2500万人から800万人が加わる。重複顧客を考慮にいれても、韓国の経済活動人口に匹敵した数になる。店舗数は1103店から1447店に増える。行員数は2万6273人から3万3531人に増大する。純利益合計(昨年基準)は4兆1810億ウォンに達する。

 このような規模面以上に、国民銀行が外換銀行買収に執念を燃やしたのは、同行の優れた海外ネットワークを活用してグローバルプレーヤーに成長しようという狙いがあったからだ。国内では国民銀行は有名だが、海外ではほとんど知られていない。外換銀行買収で、外国為替、貿易金融にも力を入れ、海外同胞、海外進出韓国企業との取引拡大を図る契機にしたいと期待している。

 これに比べ、早くから外換銀行買収に取り組んでいたハナ金融持株会社のショックは大きい。現在国内ランク4位で劣勢を余儀なくされていた。外換銀行を買収すればリーディングバンクも夢でなかったが、買収に失敗すればその差はさらに拡大するからだ。

 今回の外換銀行売却で、韓国経済の発展を支えてきた伝統ある市中銀行6行(外換銀行、朝興味銀行、第一銀行、韓一銀行、商業銀行、ソウル銀行)すべてが歴史の中に消えることになる。

 外換銀行は67年、政府が外国為替専門銀行の役割を目的に韓国銀行の外国為替管理課を独立させて発足した。1970年代、80年代の輸出ドライブ政策と合わせ、国内企業の海外市場開拓と影響活動を支援し、貿易金融で独自の地位を固めた。特に、外国為替業務の市場シェアは昨年46・4%を占め、国民銀行の4倍に達した。

 72年に国内で初めてオンライン普通預金を扱い、78年には国内初の信用カード業務を始めた。76年に輸出入業務を行っていた中・長期信用部を分離して韓国輸出入銀行を出帆させた。ソウル五輪の公認銀行を経て、89年に外換銀行法廃止で一般銀行に転換した。94年上場を果たし、資本金を8250億ウォンに増やした。

 だが、97年末の通貨危機の影響をもろに受け、99年に最大株主が韓国銀行からコメルツ銀行に変わり、外資系の支配を受けることになる。2003年に米国系のローンスターが買収し、昨年には史上最大の業績をあげたが、昨年10月の売却制限解除とともに売却を推進、国民銀行が最優先交渉者に選定された。

 昨年、第一銀行がSC第一銀行に名称を変更し、朝興銀行が4月に新韓銀行に統合される。外換銀行も国民銀行に統合されれば、行名が消えるのは確実だ。すでにその他市中銀行は統合・合併の再編過程で行名は市場から消えている。