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2007/04/06

<総合>太平洋こえ14兆㌦の共同市場

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    交渉妥結後、握手する金鉉宗・通商交渉本部長(右)とカラン・バティアUSTR副代表

 韓米FTA(自由貿易協定)交渉が妥結した。ワシントンでの第1回本交渉開始から10カ月。大型のFTA交渉であり、争点が多かっただけに異例のスピード妥結だ。金鉉宗・外交通商部通商交渉本部長とバティアUSTR(米通商代表部)副代表は2日、最後の交渉舞台となったソウル市内のホテルで共同記者会見を行い、最終妥結を宣言した。コメ市場は開放対象から除外されたが、米国産牛肉は15年かけて段階的に原稿関税40%を撤廃する。米国は3000c.c.以下の韓国製自動車の関税を直ちに撤廃し、韓国繊維製品に対する門戸も拡大する。韓国側は農業開放で苦痛を強いられるが、自動車や繊維などの工業製品で米国の巨大市場にさらに浸透できることになった。

 韓米FTAは、関税撤廃にとどまらず、農業・自動車・投資・サービス・知的財産権・労働・環境など経済全般を網羅する包括的自由貿易協定だ。北米自由貿易協定(NAFTA)妥結以来の世界最大FTAであり、韓米両国を合わせた経済規模はEU(欧州連合)、NAFTAに次ぐ世界3番目の14兆㌦。経済規模の拡大だけでなく、韓米関係は同盟関係に入った。

 両国は、工業製品に限って3年内に米国は関税を全廃し、韓国側も94%解放する。両国間の貿易高は年間700億㌦を超えており、その効果は大きい。その他分野でも開放をすすめ、経済的紐帯はかつてなく深まることになる。例えば、韓国は著作権保護期間を現行の50年から70年に延長し、法律・会計市場も段階的に開放する。

 外交通商部の金鉉宗・通商交渉本部長は「今回妥結した韓米FTAは韓国経済に新しい成長エンジンを提供するだろう」と語った。また、今回のFTA妥結はライバルの関係各国へも大きな影響を及ぼしている。現在推進中の中国、EUとのFTA交渉に拍車がかかり、中断状態の日本とのFT交渉再開の動きも起こっている。

 特に、開城工業団地製品の原産地認定問題で、両国が「韓半島域外加工地域委員会」を設置し、非核化進展などの条件付きながら、原則的に韓国産と認めることになった意味は大きい。

 この点については付属文書も作成する。北朝鮮は自力では経済を再建できない状態だが、米国が北朝鮮の経済再建に協力する糸口になるとの見方も出ている。

 韓国は、5月中旬に何万㌻になろうと協定文全文を公表する方針を明らかにしており、6月末に盧大統領がワシントンを訪問、両大統領が参加する中で協定署名式を行う予定だ。