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2007/08/10

<総合>7年ぶり・南北頂上会談28日から平壌で

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             盧武鉉大統領(左) 金正日総書記(右)

 盧武鉉大統領と金正日総書記が、今月28日から30日まで平壌で南北頂上会談を行うことが決まった。南北両政府が8日、同時に正式発表した。2000年に金大中大統領(当時)が平壌を訪問し金総書記と会談して以来7年ぶり、2回目の南北頂上会談となる。国連をはじめ日米中など関係諸国は一応に歓迎を表明、韓国内でも反対論は影を潜め冷静に見守っている。北朝鮮による核廃棄に向けた「初期段階措置」の履行をさらに発展させるとともに、軍事的対峙状態にある南北関係を平和体制に転換する大きな転機になるのか注視される。

 青瓦台(大統領府)の白鍾天・統一外交安保政策室長は8日午前、記者会見を開き、「今回の南北頂上会談では、韓半島の平和定着問題を率直に話し合い、平和体制構築のための足がかりを整えるという点で意義深い。また、南北経済協力や交流協力段階を量的・質的に一歩前進させる新たな韓半島構想を話し合うだろう」と述べた。
 
 北朝鮮の朝鮮中央通信も同日午前、「朝鮮民主主義人民共和国の金正日国防委員長と大韓民国の盧武鉉大統領の合意に基づき、8月28日から30日まで盧大統領が平壌を訪れることになった」と報じた。

 韓国政府発表によると、韓国側がまず7月初めに金万福・国家情報院長と金養建・統一戦線部長による接触を提案、北朝鮮側がこれを受け入れたため、金院長が8月初めの2度にわたって極秘訪朝。頂上会談開催合意書に署名した。

 合意書は、「南北関係をより高い段階に拡大発展させ、韓半島の平和と民族共同の繁栄、祖国統一の新たな局面を開く上で重大な意義を持つことになるだろう」と記している。初の頂上会談以来進められた南北交流協力関係を画期的に深化させるのか、また今後、南北統一へ至るどんな道筋を開こうというのか見守る必要がありそうだ。

 南北は、首脳会談のための実務者準備会談を来週から開城で行い、議題などを詰める。問題は開催場所だ。7年前の南北頂上会談で、次回会談は「適当な時期に」金総書記がソウルを答礼訪問することになっていた。韓国ギャラップの世論調査によると、「平壌開催は不適切」が58%を占めているが、韓国側はすでに「いつでも、どこでも会う用意がある」と場所を問わないことを表明、北朝鮮側にゲタを預けた経緯がある。

 今回の南北頂上会談について、ホワイトハウスのスノー報道官は「平和と安全に寄与する。非核化に向けての進展を継続する好機になる」と表明。日本の安倍首相は、「朝鮮半島の緊張が緩和されることを期待している」と歓迎を表明する一方、頂上会談で拉致問題を取り上げるよう韓国側の協力を求めるよう指示した。国連の潘基文事務総長は、「頂上会談が韓半島の平和と安定、南北の和解を増進させる重要な機会を提供すると確信している」と歓迎声明を発表した。

 韓国内の反応をみると、ウリ党など与党勢力は、「南北関係の発展、南北経済協力の強化、韓半島非核化を含む平和体制などの懸案解決の契機になる」と一斉に歓迎。

 ハンナラ党は、午前中には「時期も場所も手続きもすべて不適切」と反対を表明したが、午後には「不適切ではあるが、開催する以上は、成果のある会談にすべきだ」と反対論を引っ込めた。