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2007/04/20

<総合>プラント輸出大作戦

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           韓国企業が中東で建設した淡水化プラント

 政府とプラント(産業設備)業界は、853億㌦の海外プロジェクト受注のため協力関係を強化している。特に、プラント輸出を資源開発と連携して推進する戦略を立てている。現在進められている大型プロジェクトは、中東地域を中心に淡水化・発電事業(33件・413億㌦)、石油化学(19件・120億㌦)、石油・ガス施設(19件・120億㌦など853億㌦。韓国業界はこのうち3分の1以上の受注をめざしている。
 
 金栄柱・産業資源部長官は17日、ソウル市内のホテルで懇談会を開催、プラント事業を新たな輸出動力産業として育成していくことを協議した。懇談会には、尹永錫・プラント産業協会会長、李南斗・斗山重工業社長、金光明・現代重工業社長、李鍾洙・現代建設社長、金鐘寅・大林産業社長ら、プラント業界の代表が参席。

 この席でプラント業界は、「今年から来年上半期(1-6月)まで、韓国企業が海外で受注を推進しているプロジェクトは80件、853億㌦に達する」とし、政府に多角的な支援を要請した。この要請に対し、金長官は「閣僚級など各レベルの通商外交を通じて、受注を積極的に支援する」と約束した。

 中東諸国には莫大なオイルダラーが流入、建設工事が活気づいている。特に、来月には、サウジアラビアで開かれる産油国・消費国会議に参加、今年下半期(7-12月)には海外の主要発注先のCEO(最高経営者)らを招いてプラント産業フォーラムを韓国で開催する。

 産業資源部では特に、「長・次官はもとより、盧武鉉大統領が首脳外交を直接展開することも検討している」と明らかにした。金長官はまた、「プラント受注を資源開発と連携させて、戦略的に推進することにも力を注ぐ」と述べた。ナイジェリアに発電プラントを建設して油田開発権を獲得した事例を、他のアフリカ諸国、中東、中央アジアなどへ拡大させるとの説明である。輸出活動の強化に向けて、ブラジル、ロシア、カナダなどにも受注支援センターの設置を推進する。また、KOTRA(大韓投資貿易公社)を積極的に活用し、海外プラント情報をリアルタイムで国内業界に提供することとした。

 産業資源部は、プラント業界の本質的な競争力強化方案も用意する方針だ。プラント業界は特に、LNG(液化天然ガス)やGTL(天然ガスからナフサ、灯油、軽油などの石油製品を製造)事業など、先進国が主導している高付加価値プラント市場への進出をめざしている。

 そのために、6月に設立されるエネルギー技術評価院にプラント技術専門チームを設置し、中・長期R&D(研究開発)支援計画も政府と一体になって作成中だ。