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2008/06/20

<総合>「ネット経済」発展へのグローバル協力

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    アジアで初めて開かれたOECD閣僚会議。李大統領は、「ネットは信頼が伴わねば毒にもなる」と強調した

 「インターネット経済の未来」をテーマにソウルで開かれていたOECD(経済協力開発機構)閣僚会議は18日、今後10年間のネット経済発展の原則と実践策を盛り込んだ「ソウル宣言文」を採択し、2日間の日程を終え閉幕した。ソウル宣言は、インターネット経済を「ネット基盤のすべての放送・通信媒体が支援する政治、経済、社会、文化活動」と定義し、ネット経済成長のため①ネットワークやサービスの融合促進②創造性の促進③信頼・セキュリティーの強化④ネット経済のさらなるグローバル化など28の政策方向を勧告した。特に今会議では、広がる一方の世界ネット情報格差の解消などネット経済の未来を暗くしているサイバーテロなどへの対応も議論の焦点になった。

 ソウルのCOEX(韓国総合展示場)で開かれた今回のICT(情報通信技術)担当閣僚会議には、OECD加盟国をはじめ世界42カ国の政府代表とグローバル企業CEO(最高経営責任者)ら300人が参加した。OECD閣僚会議がアジアで開かれるのは、1961年のOECD発足以来今回が初めてで、会議以外にもIT関係者らのフォーラムなど様々な行事が行われた。

 会議では、原油高や国際原材料価格上昇によるインフレが世界経済を襲う中、インターネットを世界経済活性化の原動力として活用するための様々な提案がなされた。

 ソウル宣言は、①情報通信技術が人々の経済社会活動の不可欠な基盤になっていることを踏まえ、イノベーション、闘志および競争を支える情報通信政策および規制環境を通じて、持続可能な経済成長を促進する②この目的達成のため情報通信技術を利用した環境問題などグローバル課題への対応、多様性の尊重、セキュリティー文化の醸成、ユビキタスネットワークに基づく情報社会の実現を共通ビジョンに掲げる③この共通ビジョンのもとネットワークやサービスの融合などを進める――という骨格からなっている。

 会議の議長を務めた放送通信委員会の崔時仲委員長は「われわれはソウル宣言文を通じ、インターネットが政治、経済、社会、文化などあらゆる分野にプラスの変化をもたらすであろうこと、持続的経済成長に寄与し、人類の暮らしの質を向上させるということに共感した」と述べ、「すべての人がインターネットを安全に利用できるよう、インターネットの信頼向上に向け国際的な協力を強化する」と強調した。

 一方、李明博大統領は17日の開会式のあいさつで、「匿名性を悪用したスパムメール、虚偽または不正確な情報の拡散は、合理的な理性や信頼まで脅かすものだ」と指摘、「インターネットの力は、信頼を伴わなければ、薬ではなく、毒になり得る」と述べた。これは、最近の米国産牛肉の輸入問題で、インターネット上で根拠のないデマなどが広がり、国民の不安を煽ることで状況をさらに悪化させたことが念頭にあるとみられる。

 会議では世界ネット情報格差の解消も大きなテーマになった。崔委員長は、「全世界66億人の中でインターネット利用可能な人口は20%に過ぎない。デジタル・シャドー(影)が依然としてある」と述べ、「国家間・地域間のデジタル社会の拡大が切実だ」と訴えた。映像メッセージを寄せた潘基文・国連事務総長も「ネットは人間の生活の質を変化させているが、いまだに多くの人が孤立している。情報格差解消のため全世界的な努力が必要だ」と強調。

 また、世界のインターネットのアドレスを管理する国際機関であるICANNのポール・トゥーメイ代表は、「来年初めにはハングルのトップレベルドメイン(TLD)が可能になると思う」と語った。現在のTLDは「.com」「.net」「.info」などと英語によるものだが、ハングル使用が認められれば、「. com」の代わりに「フェサ(会社)」、「.kr」の代わりに「ハングク(韓国)」といった単語を使えるようになる。ハングルほか10数カ国の言語を対象にテスト中という。