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2008/02/01

<総合>通商・資源外交の先導役に

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    会見に臨む韓昇洙・国連気候変動特使㊨と李明博次期大統領

 李明博次期大統領は1月28日会見を行い、新政府の初代国務総理に韓昇洙・国連気候変動特使を指名した。李次期大統領は、「(韓氏は)誰よりもグローバルマインドを持ち、国内外での経験も豊富」とし、「国際的な経験と人的ネットワークを通じ、経済を活性化させ、通商と資源外交を展開できる最適格者である」と指名理由を説明した。指名受諾した韓氏は、「先進化を通じたグローバル・コリアを作り上げるために最善を尽くす」と抱負を語った。

 ソウル三清洞の大統領職引継委員会での記者会見で、韓昇洙特使は、「24日に李次期大統領から直接連絡を受け、1時間半ほど昼食を共にした。国政哲学について話を聞き、その志が高く、私も何か助けになれればと考え、総理職を引き受けることを決めた」と明らかにした。また、内閣構想に関しては「国民のために仕事をする滅私奉公の精神と専門知識を持った人たちで構成する内閣」をめざす考えだ。

 韓特使は特に、「資源は韓国経済にとってなくてはならない。中国も、胡錦涛国家主席と温家宝首相が世界を駆け巡り資源外交を展開している」と指摘、中東、アフリカ、南米、ロシアなど積極的な資源外交を展開する考えを表明した。内政と首脳外交に忙しい大統領を補って総理が通商・資源外交を担当することは効率的な分業になるが、総理の役割の中の一部であって全部ではない。総理の1次的役割は、内閣を監督・調整することであり、憲法は「国務総理は大統領の命を受けて行政各部を統轄する」と規定している。今後の大統領と国務総理の役割がどうなるのかも注目点だ。

 しかし、総理は国会の承認を得なければならないが、韓特使は本格的に公職の道を歩く前の80年、新軍部の国家保衛非常対策委員会で短期間活動した経歴がある。このため、一部の市民団体は国務総理指名に強く反対している。この点について、韓特使は次のように述べている。

 「80年には経済がマイナス成長に陥り、物価は30%上昇した。当時ソウル大教授だったが、国保委の財務分科委から助けを求められ、国益を優先するという考えのもとで取り組んだ。しかし国保委で立法委員会を作った後でソウル大に戻り、第5共和国政府には一切関与しなかった」

 また、韓特使は、韓宝事件の責任をとって97年3月に財政経済院長官を退いており、通貨危機責任論もぶり返す恐れがある。記者会見で韓特使もこのような世論を意識し、「人事聴聞会で十分に説明する」と話しており、国会での審議が注目される。