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2009/11/06

<総合>世界10大企業へ長期ビジョン、2020年売上目標4000億㌦

  • 世界10大企業へ長期ビジョン、2020年売上目標4000億㌦

    式典に参加したサムスン電子の歴代社長ら

 サムスン電子が創立40周年を迎え、2020年までに売上高4000億ドルを達成し、IT(情報技術)・電機業界で世界一、グローバル10大企業に跳躍すると宣言した。売上高4000億ドルは現在の為替レートで473兆ウォンに相当する。これは今年の予想売上高130兆ウォンの3・6倍だ。目標実現のため、サムスンの急成長を牽引してきたテレビ、携帯電話、半導体、液晶の世界シェアを拡大する一方、バイオ、環境、エネルギー、太陽電池、ヘルスケアなどを新たな主力事業として本格的に育成する方針だ。

 ソウル市瑞草区の本社で先月30日開かれた創立40周年記念式には、歴代社長、役員、下請け企業の代表ら約400人が参加。李潤雨(イ・ユヌ)副会長は「グローバル超一流企業になるためには単純な革新では不十分だ。新たな価値を創造する開拓者にならなければならない」と呼びかけた。

 記念式では売上高目標を4000億㌦とした「ビジョン2020」を発表。10年以内にブランド価値で世界5位、尊敬される企業10位入りの目標も立てた。10年後に新たなビジョンが達成されれば、現在売上高1100億㌦で世界40位のサムスン電子は、世界12位の米GE(ゼネラル・エレクトリック)などを抜く見通しだ。

 サムスン電子は「ビジョン2020」の達成に向け、①創造経営②パートナーシップ経営③人材経営という3大戦略と新技術先導、新市場開拓、新ライフスタイル先導を3大課題に設定した。

 志向する未来像は「Inspire the World,Create the Future」というスローガンに込められている。その核心は、霊感(Inspire)と創造(Create)だ。従来の技術開発とマーケティングが売上高をこの10年間で4倍に増やしたとすれば、今後は「漸進的改善」という経営方式を「創造的挑戦」に転換するとのメッセージだ。

 今後の経営方針として、①既存の世界トップの半導体など4部門の事業基盤を固める②生活家電、コンピューター、プリンターなども世界シェア1位に引き上げる③バイオ、環境、エネルギーなど生活の質的向上に向けた事業を今後10年の成長動力源として位置づけている。

 また、グローバル化する経済社会に対応するため、外部の力や支援を積極的に活用する経営システムを構築する方針だ。現在45%前後の海外人材の比率を20年までに65%に引き上げ、韓国に勤務する外国人社員も現在の850人から2000人に大幅増員計画だ。大卒女性従業員を現在の9000人から1万5000人に増やす。

 李潤雨副会長は、「開かれた組織文化実現のためとグローバル業務力量強化のため海外人材と情勢人材を大幅に強化する」と述べ、「環境と調和が取れた社会発展のため、企業の社会的責任も果たしたい」と強調した。


 サムスンの創業者・故李秉喆(イ・ビョンチョル)会長が電子産業への参入を決意したのは1968年。翌69年1月に資本金3億3000万ウォン、従業員36人でサムスン電子工業を設立。白黒・カラーテレビを生産し、輸出企業として地歩を固める。77年に当時の李健熙(イ・ゴニ)副会長が私財を投じ、韓国半導体を買収、サムスン半導体通信を設立した。「資本も技術も市場もなく、絶対に不可能だ」という反対を押し切っての設立だったが、結果は大成功だった。92年にDRAM半導体で日本メーカーを抜き世界1位に。サムスン電子とサムスン半導体通信が合併したのは88年。合併日の11月1日がサムスン電子の創立記念日となった。