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2009/11/27

<総合>対アフリカ協力が本格化

  • 対アフリカ協力が本格化

    アフリカ各国代表と柳明桓・外交通商部長官(右から5人目)

 韓国とアフリカが協力関係を強めることになった。ソウル市内のロッテホテルで24日開かれた第2回韓国・アフリカフォーラムで、アフリカの貧困退治と持続可能な発展をめざす「ソウル宣言」を採択した。特に韓国政府のアフリカ向けODA(政府開発援助)規模を2012年まで3年間で倍増させることを明記、アフリカ側に歓迎された。韓国は今後のアフリカ開発援助で、経済・社会的支援に力点を置きながら、同時に地球温暖化や水資源枯渇、耕作地縮小による食糧危機などの課題にも取り組むとしている。

 フォーラムには、柳明桓(ユ・ミョンファン)・外交通商部長官とAU(アフリカ連合)のジャン・ピン執行委員長ほか加盟15カ国の外相ら150余人の政府高官が参加した。15カ国代表は53のAU会員国を地域別に代表する。

 今回のフォーラムでは、①アフリカ開発のための韓国の役割②グリーン成長パートナーシップ構築③共同繁栄のための協力――をテーマに韓国型開発モデルの共有や投資増大策が論議された。柳長官は、今後は開発ノウハウの共有などに焦点を当て、アフリカの事情に沿う支援を行えるよう努力すると述べた。
 
 採択されたソウル宣言と付属文書には、①ODAを2012年までに倍増する②今年から3年計画でアフリカ産業研修生5000人を招請する③IT・農業技術者を中心とする海外奉仕団員1000人をアフリカ諸国に派遣する④低炭素・グリーン成長パートナーシップ強化のため政策フォーラムを定例化する――などが明記された。

 対アフリカODAは05年の4240万㌦から昨年には1億710万㌦に増え、昨年末累計で1億8000万㌦(無償7400万㌦、有償3400万㌦)に達する。これを今後3年間で倍増させるというもので、韓国の対アフリカ協力にかける意気込みを示している。

 アフリカとのフォーラムは06年に開かれて以来、今回が2回目。特に今年からは定期的な閣僚級公式協議体に格上げされ、今後3年ごとに開催される。これで韓国は中国、日本、トルコ、インドに続き個別国家としてアフリカ大陸全体と長期的な協力関係を持つ5番目の国になった。

 中国は、巨額の援助を武器にアフリカ全域で影響力を高めている。06年10月に北京で初めて開かれた中国・アフリカ首脳会議には48カ国の首脳が出席した。日本もODAを武器にアフリカで経済・外交的地歩を築いている。物量攻勢では韓国は中国や日本に歯が立たない。アフリカ地域常駐公館も中国の46カ国に比べ、韓国は19カ国にすぎない。韓国は何を対アフリカ協力の基軸とすべきだろうか。そのヒントが今回得られた。

 李明博大統領は23日、訪韓したセネガルのアブドゥライ・ワッド大統領と会談した。会談でワッド大統領は、「食べるものがなく、着るものも家もなく、健康を守ることも子供を学校に行かせることもできず、不衛生な状況で生きるしかない」と貧困の6つの定義を列挙し、「韓国の経済発展の経験を学びたい」と述べた。

 アフリカに必要なことは、貧しい国から急成長を遂げた韓国の成功体験の共有であり、それはワッド大統領の発言に表れている。その意味で、アフリカの産業研修生5000人招請、1000人規模の海外奉仕団派遣は大きな意味をもとう。来年には李大統領のアフリカ歴訪を計画しており、今後が注目される。