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2010/01/15

<総合>「教育・科学中心の経済都市」に

  • 「教育・科学中心の経済都市」に

    世宗市建設修正案を発表する鄭雲燦国務総理

 鄭雲燦(チョン・ウンチャン)・国務総理は11日、忠清南道に建設予定の世宗(セジョン)市に行政官庁を移転する計画を全面白紙化し、世宗市の概念を「行政中心複合都市」から「教育・科学中心の経済都市」に変える世宗市発展案を発表した。この修正案によると、官庁の半分に当たる9部2処2庁の移転取りやめる代わり、サムスン、ハンファ、ロッテ、熊津(ウンジン)など大企業とKAIST(韓国科学技術院)、高麗大学などの大学や研究機関を誘致するとしている。鄭総理は「行政都市が官主導の古い開発計画だとすれば、今回の世宗市は人口50万人の未来型先端経済都市だ」と強調した。

 世宗市の造成面積は7291万平方㍍で、大学や企業などを建設する「自足用地」の比率を当初の8%台から20・7%に引き上げた。世宗市完工時期は2020年で、原案より10年前倒ししている。新都市建設に要する投資規模は16兆5000億ウォンで、25万人の雇用を創出し常駐人口50万人を達成するのが目標だ。原案の投資規模8兆5000億ウォン、雇用8万人、人口17万人に比べ大幅な拡大となっている。

 修正案の大きな柱は①企業誘致②大学誘致③国際科学ビジネスベルト形成の3点。まず、最も関心を集めていた企業誘致は、国内外5社が再生可能エネルギー、発光ダイオード(LED)、炭素低減技術などのグリーン産業分野に4兆5150億ウォンを投じることが決まっている。

 特にサムスンは電子をはじめ系列5社が165万平方㍍の用地に2兆500億ウォンを投じ、太陽光発電、燃料用電池、LED、データ処理、コールセンター、バイオヘルスケアなどの分野に進出する。また、ハンファがエネルギー分野に1兆3270億ウォンを投じるほか、熊津(熊津ケミカル・エネルギー統合研究センター)、ロッテ(ロッテ食品研究所)、オーストリアの太陽光製品メーカーのSSFも参入する。今回の修正計画をみて、LGやCJが参入を検討している。

 大学に関しては、高麗大学とKAISTがそれぞれ100万平方㍍の用地に6012億ウォン、7700億ウォンを投資し、大学院と研究機能主体の第2キャンパスを運営する。さらに、経済的・技術的な波及効果が高い海外投資家を呼び込むため、グローバル投資誘致地区を造成する。教育・科学に関する国際機関や多国籍企業のアジア本部などを誘致するため、国際交流地区も設ける予定だ。

 国際科学ビジネスベルトは330万平方㍍の研究拠点を造成する計画だ。来年から2015年までに3兆5000億ウォンを投じて世宗国際科学院を設立し、その傘下に重イオン加速器、基礎科学研究院、融合・複合研究センター、国際科学大学院を置く。また、韓国初の都市型国立樹木園を備えた中央公園(280万7000平方㍍)、アートセンター、文化施設の建設も推進する。

 公聴会開催などを経て、関連法の改正案を提出し、4月の国会通過をめざしているが、反対論も多く、波乱が予想される。