ここから本文です

2010/05/21

<総合>南アも「韓国の発展に学びたい」

  • 南アも「韓国の発展に学びたい」

    フォーラムであいさつする南アのピータース長官

 サッカーのワールドカップ大会を来月に控えた南アフリカから、70人規模の大型経済使節団が訪韓した。一行を率いるエリザベス・デュピオ・ピータース・エネルギー部長官は17日、崔炅煥(チェ・ギョンファン)・知識経済部長官と会談、原子力発電所の建設と運営に関する教育を受けるための人材派遣と交流を求めた。崔長官はこれを受け入れ、原発技術R&D(研究開発)協力のためのMOU(了解覚書)を締結することに合意した。これにより、9月ごろに予定されている南アの原発入札で韓国が優位になる可能性が高まった。ピータース長官は、韓国の発展経験に学びたいとの考えを表明し、今回の訪韓で韓国の原発施設なども視察した。
 
 南ア経済使節団の今回の訪韓は、ソウルの市内のホテルで17日開かれた「韓国・南アフリカ共和国ビジネスフォーラム」出席のため。同フォーラムは南アの経済協力拡大のため知識経済部主催、KOTRA(大韓貿易投資振興公社)主管で開かれた。

 70人を超える大型経済使節団が南アから訪韓するのは今回が初めて。KOTRAのヨハネスバーグ・コリアビジネスセンター長は、「当初彼らの最初の訪問先は中国かロシアだった。それを変更して韓国行きを決めたのは、近く始まる南アの原発プロジェクトのためである可能性が高い。韓国の原発建設能力を直接確認するところにあるのではないか」と分析した。

 事実、フォーラムでピータース長官は、「UAE(アラブ首長国連邦)原発受注戦で韓国が勝利した事実は良く知っている」として、「南アは今後、電力エネルギーの中で原発の比重を高める計画であり、原発の原発分野で高い技術力を持つ韓国の助けが必要だ」と語った。また、「韓国の過去の経験から多くの教訓を得たい」と述べ、原発以外に多様な分野で協力を希望した。

 南アは08年に1000メガワット級原発2基を公開入札を通じてフランスのアレバ社を最優先交渉相手に選定したが、国家全体の電力需給計画を見直す過程でこれを白紙化した経緯がある。南アは世界1位の好物資源保有国であるが、電力不足のため鉱山開発に支障が生じている。このため、原発を通じた安定的な電力供給が国家的に重要な課題になっている。ワールドカップを契機に経済を発展させたい南アにとって、原発をはじめ韓国から多くのことを学ぶため経済協力を高めたい意向だ。今回の大型使節団派遣にもその思いが込められている。

 経済使節団一行は、南ア執権党のANC(アフリカ民族会議)内の進歩的ビジネスホーラムに属する。同フォーラムは7000人の経済人が参加しており、今回の訪韓結果を受け、対韓経済交流の拡大が期待される。

 アフリカ諸国は21世紀に入り、経済開発に力を入れており、植民地支配された従来の欧米から脱し、特に韓日中の東アジア3カ国との協力を強めている。韓国は今年を「アフリカ協力時代元年」と宣布。今夏に李明博大統領のコンゴ、ガーナなどアフリカ歴訪を計画している。

 アフリカ諸国からは「韓国の経済発展を学びたい」という機運が高く、異常なインフレが終息したジンバブエでもムガベ大統領が「韓国の経済開発ノウハウを共有するパートナーシップを結びたい」と期待を表明している。今後、アフリカ諸国との経済協力・交流は大きな広がりをみせそうだ。