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2010/10/08

<総合>世界一の経済圏・EUとFTA署名、来年7月発効

  • 世界一の経済圏・EUとFTA署名、来年7月発効

    韓国・EUのFTAに署名し握手する金宗壎・通商交渉本部長㊧とグヒュト通商担当委員。後方で李明博大統領らが拍手している

 韓国とEU(欧州連合)が6日、FTA(自由貿易協定)を正式に締結した。2007年5月の交渉開始から3年5カ月、来年7月に発効する。EUは韓国から輸入する工業製品にかける関税を5年以内にゼロにし、韓国もEUから輸入する工業製品を7年以内に、農水産品は10年以内にゼロする。EUとのFTAはアジア諸国で韓国が初めてで、日本など競争国の輸出商品と価格面で優位に立つことになった。特に、自動車やテレビ、繊維など製造業の輸出増が期待される。

 外交通商部の金宗壎(キム・ジョンフン)・通商交渉本部長と欧州委員会のグヒュト通商担当委員はベルギー・ブリュッセルで同日、協定文に正式署名した。署名式には、李明博大統領やファンロンパイEU首脳会議常任議長、バローゾ欧州委員会委員長ら、双方のトップも出席した。

 正式発効には加盟27カ国すべての批准同意が必要だが、それには相当な時間がかかるため、欧州議会の同意だけでFTAを来年7月に暫定発効することで合意している。暫定発効は正式発効と同様の効果を持つ。

 最も関心を集めた乗用車は、排気量1500㏄超の乗用車は3年以内、1500㏄以下は5年以内に関税を段階的に撤廃。1500㏄超は来年7月7%、12年4%、13年2%、そして14年にはゼロになる。昨年の韓国の対EU自動車輸出は46億㌦で、EUからの輸入は30億㌦だった。

 韓国・EU間のFTAの持つ経済的な意味は、韓国がこれまでに締結したFTAに比べ大きいと評価されている。

 まずEUは人口5億人、GDP16兆4000億㌦(昨年)の世界一の経済圏であり、中国に次ぐ韓国第2の貿易パートナーである。昨年の韓国・EU間の貿易規模は788億㌦(輸出466億㌦)で、韓米貿易667億㌦を100億ドル以上も多い。

 さらに、EUは平均関税率が5・6%と、米国の3・5%より高い。とりわけ韓国の主要輸出品目の自動車(10%)、テレビなど映像機器(14%)、繊維・履物(最高12~17%)などの税率が高く、FTAにより関税が撤廃されれば、韓国の輸出品がそれだけ価格競争力を備えることになると、外交通商部は説明する。

 また精密機械や部品産業などの分野でEUが韓国の新たなパートナーとなれば、韓国の対日依存度が下がり、対日貿易赤字の是正効果もあるとみている。

 このほかにEUの対韓投資増大、韓国経済の成長潜在力アップ、良質の雇用創出などを期待している。また、締結から3年が経っても批准されていない韓米FTAの批准を米国に急がせる刺激剤にもなる。

 韓国貿易協会は、輸入品の多くは、日本や米国との競合品が多く、国内市場を脅かすほどではないと分析している。同協会が国内企業337社を対象に調査した結果によると、86・7%が今回のFTAが経営にプラスになると応えており、71・7%が対EU輸出増大効果があると期待している。

 今回のFTAで韓国に影響が大きいコメは関税撤廃対象から外したが、ワインや酪農製品の輸入増大が予想される。特にワインの場合は、FTA発効即時に現在15%の関税が撤廃される。チリとのFTAではワイン関税は5年間の段階的な撤廃だったのと比べて影響は小さくない。実際に、チリ産ワインの韓国内シェアは03年に6・5%だったが、5年後の08年には17・8%とフランスに次いで2位を占めた。金額ではなく輸入量ではチリ(23・%)がフランス(18・9%)を上回っている。

 FTAで打撃が予想される農畜産業とサービス分野では懸念の声が高まっており、徹底した対策作りも求められている。