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2000/09/29

<鳳仙花>◆韓日シャトル便構想◆

 ソウルと羽田を飛行機で頻繁に結ぶシャトル便構想が浮上している。先に訪日した金大中大統領が、両国間の輸送力増強を要請したなかで開設を提案した。シャトル便とは、30分とか1時間ごとに便を発着させるもので、電車と同じ感覚で利用できるから便利だ。日本国内では東京―大阪間ですでに運航されている。

 東京―大阪のシャトル便はJR(新幹線)と対抗する意味から開設されたものだが、ソウル―羽田は座席数不足を解消する目的がある。いま、成田―ソウル便の座席を確保するのは大変だ。急な出張ではかなり困難で、希望の便を取るなら2―3カ月前から予約しなければならない。

 それだけ韓日間の人的往来が活発になっているということだろう。例えば80年の両国間の往来は54万人だったのが、昨年は323万人と20年近くでほぼ6倍に増えている。特に日本から韓国への訪問は近年、急増傾向にある。

 ソウル―羽田シャトル便構想に、外務省や航空業界は前向きで、自民党も検討のために動き出している。自民党内には定期便を就航させようと動いている議員グループもある。

 ただし、運輸省は慎重姿勢だ。国内空港である羽田への乗り入れを韓国便だけに認めるわけにはいかないというのが理由だ。

 シャトル便を飛ばすには、都心から1時間かかる成田より当然羽田の方が効果がある。実現されれば東京―ソウルの日帰り出張も可能だ。それだけではない。韓日間の人の往来がさらに活発になり、相互交流の面からも大きな力になる。

 2002年にはサッカーW杯も控えており、12月に予定されている両国の航空協議で、実現に向けいい知恵が出ることを期待したい。(T)