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2000/07/21

<鳳仙花>◆沖縄サミットと韓半島の平和◆

 九州・沖縄サミット(主要8カ国首脳会議)が、21日から名護市で開幕する。今回の会議では、情報技術(IT)の途上国に対する支援、ミサイルなど戦略兵器の削減、エイズなどの感染症対策、途上国の債務放棄などさまざまな問題が話し合われる予定だ。

 また、最も論議を呼びそうなのが、韓半島問題だ。南北頂上会談の歴史的成功で脚光を浴びた南北対話促進と北東アジアの安定に向け、サミットがどのような声明を出すのか。第二次大戦の激戦地、沖縄から発せられる平和のメッセージに世界が注目している。そういった意味で、議長国である日本の力量が問われるだろう。

 首脳会議に先だって宮崎で開かれた主要8カ国外相会合では、総括文書に韓国の対北朝鮮包容政策への支持と南北対話進展への期待が盛り込まれた。外相会合終了後、河野洋平外相は即座に韓国に飛び、金大中大統領に結果を報告し、沖縄サミットの採択文書に韓国側の意向を反映させたいと伝えた。ぜひイニシアチブを発揮してほしい。

 フィリピンとの国交樹立に際し、北朝鮮外交部は、「今後も世界の多くの国と親善関係を結び、発展させていくために積極的に努力していく」と表明している。核疑惑やミサイル発射で世界からつまはじきにされた北朝鮮の国際社会への復帰宣言といっていいだろう。

 このように状況は大きく変わった。今月末には初の朝日外相会談も開かれ、国交正常化交渉が本格化すると期待されるが、そのキーを握るのが日本の出方だ。その意味で、サミットでの日本の役割が注目される。

 いま北朝鮮経済は根本的な再建が必要だ。とはいえ、インフラや基幹産業の立て直しに膨大な資金がかかり、国際協力なしには成功しない。20世紀最後の開催となる沖縄サミット。韓半島の平和と統一に資する歴史に残る「宣言」を打ち出してほしい。(A)