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2001/09/21

<鳳仙花>◆南北国連加盟10年とテロ事件◆

 米テロ大惨事が起こった翌日の12日、ニューヨークで第56回国連総会が開かれ、死者推定5000人に達する前代未聞の同時多発テロを糾弾する決議文を採択した。

 そのテレビニュースを見て、おやっと思った。韓国の韓昇洙外交通商部長官が議長を務めているではないか。アナン国連事務総長らが見守る中、開会を宣言する姿が印象的だった。

 実は韓国は議長国はおろか、国連に加盟すること自体が長い間許されなかった。
南北分断と東西冷戦のせいで、韓国だけの加盟を東側諸国が反対し、同様に北朝鮮の加盟申請も西側諸国により退けられていた。

 だが、冷戦の象徴であるベルリンの壁が崩れ、脱冷戦の波が韓半島にも及び、1991年9月17日に韓国と北朝鮮の南北同時国連加盟が実現した。その10周年の記念すべき国連総会で議長国に選ばれたのであるが、とんでもない事件が発生、「テロとの闘い」で重大なカジ取り役を担うことになった。

 今回のテロ事件に対する韓国政府の立場は確固としたものがある。金大中大統領は17日、ブッシュ大統領にメッセージを送り、テロ根絶のための米国の行動を支持し、協力を惜しまないと強調した。

 議長国としても、反人類的なテロ行為に反対する国際社会のコンセンサス(合意)を形成することは当然のことであるが、米国の「報復戦争」がまた別のテロを生み出さないように国連としての仲裁の役割を果たすことも重要だろう。

 南北の国連加盟から10年。当時、韓半島の緊張を緩和し国際平和に貢献することが期待され、南北頂上会談の実現でその大きな一歩を踏んだ。米テロで世界平和が脅かされている今、「韓半島平和」を一層確実にする努力が求められよう。(S)